なにぶん最近はブログを書く時間が確保できず、1ヶ月ほど前の走行記録になってしまいました。
朝、走行前の測定で気温18℃、路面温度22℃。曇りがちな天気で路面温度はさほど上がっていないものの問題ないコンディションです。
HSRでお馴染み、ロッシなお方とピットでお隣だったので初めてご挨拶したりしてました。
フロントフォークのセッティング変更
プリロードは前回の走行から+3回転して12mm。オーリンズの推奨値は7mmで、それと比べてもそれなりにプリロードを掛けた状態です。
走行後の残スト。
相変わらずいつもと変わりません。プリロード最弱でも12mmでもストロークセンサーの位置は一緒。うーん。
エンジンブレーキ設定変更
今までエンジンブレーキが最も効かない「1」に設定していました。前回のAPで向き変えについて試行錯誤する中で、もっとエンジンブレーキを効かせた方が効率良く曲がれるのでは?と仮説を立ててみたので最大の「3」に変更します。
この変更によりアクセルオフ時の空走感が減って、より明確に向きが変わるようになった気がしました。ただ劇的な変化ではなく、気のせいかもしれません…。
リアのスネーキングが発生
それより問題なのはフルブレーキ中にリアがスネーキングを起こすようになったことです。
エンジンブレーキが「1」の時は減速時リアの挙動がとても安定していました。掛け始めでいきなりフロントを底付きさせてしまうようなガッツンブレーキでもない限り、どれほど強く握ってもリアの挙動は最小限に抑えられていて、だからこそブレーキをより積極的に握ることができていました。その安定感は他車と比較しても抜きんでた、S1000RRの強みだと感じます。しかしエンジンブレーキが効くように設定を変えると、バックトルクが悪さをするのかブレーキのたびにスネーキングを起こし、正確な操作が難しくなってしまいました。
僕にとっては向き変えの利点よりスネーキングのデメリットの方が影響が大きいので、エンジンブレーキ設定は元の「1」に戻すことにしました。
フロントが流れる
リアのスネーキングに悩まされてなかなか自分のリズムが掴めずにいる間、速いマシンがいたので後を追いかけていくと、6コーナー(バックストレートの手前のコーナー)の進入速度がいつもより高くなってしまいました。やむなくブレーキを多めに残しながら寝かし込んでいったところ、フロントがアウト側へスーッと流れていく恐怖体験に遭遇…。幸い転倒には至らなかったものの、あの瞬間は血の気が引きました。
本日はHSR九州。
— おとわん (@sundayrider675) 2022年11月26日
6コーナー(バックストレートの手前)の進入でブレーキを残しすぎて、フロントが流れる臨死体験に遭遇…。
動画では伝わりにくいけど、フロントが少し切れ込んでいるように見える。 pic.twitter.com/rAiZ7ENZPF
この6コーナーやオートポリスの最終手前の右、SPA直入のブラインドコーナーなど大きく回り込むコーナーは、ダブルクリップのラインでかなり奥までブレーキを残しながら寝かし込んでいくため、やり過ぎると今回みたいにフロントからスリップダウンするリスクがあると再認識しました。5年前にAPの最終手前で転倒した苦い経験を思い出しました。
それとHSRの6コーナーは、エスケープゾーンがなんか草むらみたいになっていて転ぶと痛そうなので、どうにかしてほしいです。
2本目は設定を戻す
エンジンブレーキの設定は最小の「1」、フロントフォークのプリロードはマイナス3回転(9mm)。オートポリスを走った前回の設定に戻し、気を取り直して走ります。リアのスネーキングはすっかり収まっていつも通りの安心感。タイヤは4時間走行でリアのグリップが落ちてきました。今回の課題の一つは、タイヤのグリップが落ちても手抜きせずに走ること。毎回の立ち上がりでリアがウネウネしながらも頑張って開けていきます。一方で飛ばないように車体を早めに起こすよう意識して走ります。前回の記事で書いた向き変えの取り組みが、早めに車体を起こす走りに繋がると考えます。1分10秒台が中心でしたがベストは1分9秒6で自分なりに及第点といったところです。
最終コーナー前の直線で車体が暴れる
S字の立ち上がりで車体が傾いたままアクセルを開けるため車体が暴れていました。
最終コーナー手前の直線でフロントが暴れるんですよ。
— おとわん (@sundayrider675) 2022年11月27日
このまま振れが増幅したらどうしよう、とかステダンをもっと効かせた方がいいのかな、とか考えながら走ってるので開けてるつもりだけどたぶん全開にできてない。
立ち上がりのラインを見直した方がいいかな…。 pic.twitter.com/ikM0kzofaA
グリップが低下してきたリアタイヤが立ち上がりでウネウネと揺れる
↓
加速に伴いフロントは微妙に浮いたり接地したりする状態で、リアにつられてハンドルが暴れている?
みたいな感触でした。タイヤが新しいうちはこうした挙動が出ないので、使用時間の経過とともにもっと車体を起こして加速できるラインと走り方に変える工夫が必要かもしれません。
一年ぶりの再会
ちょうど一年前、同じHSRでお会いして以来のスミスさん。
なかなか思うように走れないもどかしさを抱いている様子でした。
少なくとも現状維持できる程度に走り続けていれば、何かのきっかけでまた大きく前進する瞬間が必ず訪れると思います。来年もどこかのサーキットでまたご一緒しましょう。
所感
S1000RRにパワーカップ2の組み合わせだと走行3時間くらいでリアタイヤのグリップ低下を顕著に感じ、立ち上がりで様々な挙動が出始めます。それに怯まず開ける努力を続けていると、タイヤ新品時には気づかないマシンの性格やライン取りの意味が見えてくることがあります。タイムはその時のコンディション(タイヤの使用時間、気温・路面温度、コースのトラフィックの状況、自身の体調やメンタルなど)に左右されるけれど、タイムが出にくいシチュエーションでも自分なりにできることを妥協せずやり続けていれば新たな気づきや引き出しが増え、ひいてはそれがスキルアップに繋がるのではないかと思います。「タイヤが終わっているから…」と言い訳してダラダラと中途半端なライディングを繰り返すだけでは、何ら得るところなく無駄に一日を過ごすことになりかねません。バイクに乗れる時間は限られています。そのような事態はできるだけ避けたいものです。
もちろん無理は禁物ですが、どんな時も一生懸命走る心掛けを忘れないように取り組みたい、というのが今回の感想です。