S1000RRのブレーキ

S1000RRのフロントブレーキは、効力の立ち上がりが穏やかでタッチもやや頼りなさを感じるものの、握り込めばしっかり減速できるという印象です。街乗りを考慮すると良いバランスなのではないでしょうか。

 

メーターにはブレーキの減速度(どれくらい強く減速できたか)が表示されます。タコメーターの右側、「BRAKE」のゲージです。

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これはオートポリスを走った時の数値で、最大減速度は12m/s2近辺を指しています。ブレーキ関係は全てノーマル、ABSは最小限の介入に設定(オフではない)。
この12m/s2という値がどの程度の意味を持つか正直ピンと来ないのですが、表示されるゲージの上限に近いのでそれなりに減速できているのかな?と思います。

 


フロントのキャリパーはHAYES(ヘイズ)というあまり聞いたことのないメーカー。

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ディスクは5mm厚(S1000RRのベースグレードは4.5mm厚。レースパッケージ・Mパッケージのディスクは強化版が付いてくる)。こんがり焼けています。

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納車直後のディスクはこんな色。

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マスターはニッシンのラジアルポンプ。

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キャリパーやディスクを社外品に換えるという考え方もあると思いますが、少なくとも効きの強さという点では実用上ノーマルのままで問題ないかなという感じです(全日本ST1000もレギュレーションに沿ってノーマルキャリパーを使用)。
ただ、ブレーキを多用するHSRで走行を続けているとレバーの入りが深くなった点は気になりました。使用状況によってはリモートアジャスターが必要になるかもしれません。
あとはパッド交換と、できればマスターをブレンボのラジアルポンプに換装すればブレーキがもっと楽しくなると妄想しています。


ABSはオフにせずRACEモードで最小限の介入に設定。強く握り込んでも自然なフィーリングでABSの存在を感じさせません。デイトナ675RではABSが露骨に介入して空走区間が生じ、怖い思いをした経験があります。そのためサーキットでは解除していましたが、S1000RRは今のところその必要がありません。

 

そして言うまでもありませんがブレーキはキャリパーやパッドの性能だけで良し悪しが決まるわけではなく、ハードブレーキを受け止める車体全体のバランスが重要です。いくら高価なパーツでブレーキシステムを組んでもサスペンションがフニャフニャだったら強くブレーキを掛けることはできません。
その点S1000RRはガッツリ握り込んでもリアの挙動が落ち着いており、車体バランスの良さを感じます。加えてダウン側のオートシフターはバックトルクの変動を抑えてリアのホッピングやスネーキングが起こりにくくなるため、陰ながらブレーキの安定に大きく寄与しています。