S1000RR ブレーキアップデート

S1000RRのフロントブレーキに新しいパーツを投入します。

 

サンスター ワークスエキスパンド(フルフローティング5.5mm厚)

 

SBSブレーキパッド DCパッド

 

今までサーキットでS1000RRの純正ディスク&パッドを使い続けてきて、それなりのペース(APで2分5秒前後、HSRで1分10秒前後)で走っても大きな問題は生じませんでした。

とはいえ、

  • パッドの減りがとても早く、サーキット走行6時間前後で交換
  • しかも純正パッドは高価
  • パッドのバックプレートの反りが気になる
  • 純正ディスクの焼けが酷く、5mm厚に不安を感じる
  • ブレーキタッチがやや頼りなく、連続走行でレバーの握り代が変化してしまう

以上の理由から社外品に換装することにしました。

 

 

パッド
2019年~2020年式('21年式の途中まで)のS1000RRに採用されているHAYES(ヘイズ)キャリパーは適合するブレーキパッドが少なく、僕が把握しているのは4メーカーのみ。

  • SBS
  • メタリカ
  • ベスラ
  • エンドレス

この中で唯一のカーボンパッドであるSBSのDCパッドをチョイスしました。というのも以前デイトナ675Rで使用していたPFCカーボンパッドのフィーリングがすこぶる良かったからです。初期制動が穏やかで握り込むほどに強力な制動力を発揮する特性で、握り始めにフロントが唐突にノーズダイブしないためブレーキ操作に余裕を持てて、車体姿勢をコントロールしながら握り込んでいけるパッドでした。またローターにカーボンパッド特有の被膜を形成することで耐摩耗性に優れ、パッドの交換頻度が非常に少なかったことも利点でした。SBSのDCパッドは初めての装着で未知数ながら、同じフィーリングを期待しての選択です。

 

↓ ↓ PFCの実走インプレ ↓ ↓

 

 

ブレーキディスク
ディスクはサンスターのワークスエキスパンド。675Rでもサンスター製を使用しており信頼できるメーカーだと感じています。純正の5mm厚から5.5mm厚へ、そしてフルフローティングにすることで剛性感のあるタッチを期待します。

見た目からもうカッコ良い。

 

 

ナラシ
今回はディスクとパッドを同時に新品へ交換したため、双方のナラシを行います。特にDCパッドは初期のナラシによってローター表面に被膜を形成しないと本来の性能を発揮しないとのこと。PFCも同様だったのでカーボンパッド特有の儀式のようなものかもしれません。

 

というわけでオートポリスにやってまいりました。午前中は10時過ぎまで雨が降ったり止んだりでヤキモキしていましたが、昼から陽射しも出てドライで走行することができました。

 

ナラシの正しい手順は正直なところ良く分からないので適当です。

  1. まずは優~しく握り始め、段階的に圧を強め少しずつ熱を入れていく
  2. 数ラップかけて次第にブレーキを強めていき、フルブレーキの7割くらいまで握ったところで一旦ピットイン
  3. 5分ほど待機してブレーキの熱を取る
  4. 再度コースイン、さらに少しずつ圧を強めラスト2周でフルブレーキを試す
  5. 次の走行までのインターバルでディスクとパッドの熱を冷まして完了

こんな感じで進めました。
1時間後の2本目は最初のアウトラップのみジワリと熱を入れる感覚で握り、その後はいつものスポーツ走行と同様に走りました。

 

 

Before/After
ナラシを行うことによってディスクがどのように変化したか見ていきましょう。

走行前

 

走行後

走行前に綺麗な銀色だった新品ディスクはカーボンパッドの青黒い被膜が形成され、周辺とスリット部に褐色の焼き色が入りました。

 

 

インプレッション
2本目はほぼ全力で走ってブレーキの感触を確かめました。感想は以下の通りです。

  • 握り始めからガツンと来る感じはなく、握り込んだ奥で効力が立ち上がる特性。これは狙い通り。
  • 5.5mm厚のディスクと相まってタッチの剛性感、しっかり感が増して積極的に握り込んでいけるフィーリング。
  • ただし握り込んでいくと若干ジャダーを感じる。今後これが解消するか様子を見たい。
  • より強く握れるようになったためか、ブレーキング中盤くらいで車体が不安定になりがち。乗り方で工夫(ガマン)するか、サスセットを変えるべきか色々と試す必要がありそう。特にフロントはフルストロークに近いのでどうしたものか…。
  • 車両のメーターに表示される減速度の数値は意外にもノーマル時より低い。ノーマルは上限の12m/s2だったが今回は10m/s2。自分のフィーリングとは裏腹に止まれていない?
  • ある程度熱が入らないと本来の制動力を発揮しない。全く効かないわけではないが、ブレーキの温度が上がる前に普段のブレーキポイントからフルブレーキをしても止まり切れない可能性がある。この点は毎回の走り出しで留意したい。

ジャダーについてはABSのキックバックがレバーに伝わっているだけかも? オーリンズのフロントフォークはスプリングレートがノーマルより1割下がっており、残ストもほぼ残っていないことからフロント底付き → ABS作動の可能性があるかもしれません。だとすればメーターに表示される減速度の数値が低いことも説明がつきます。

 

ところでツイッターで気になる投稿がありました。

僕と同じ組み合わせ、サーキット使用ということで気になる情報です。今後、注意して様子を見たいと思います。
ちなみにwan wanさんはS1000RR/M1000RRについて非常によく研究されていて、僕もいろいろと教えてもらっています(叶うならリアルでお会いしたいライダーです)。既に知っている方も多いと思いますが、主にYouTubeで発信されています。

 

 

コース上でS1000RRに遭遇
今回珍しく現行型のS1000RRと遭遇しました。

走行後に僕のピットに来てくださって少しお話しました。コースライセンスを取得してこの日は一人自走でやって来たとのことで、サーキットにどっぷり浸かるタイプの方とお見受けしました。大半の人は行きつけのショップに引率されて走行会を走る程度ですから…。
またお会いした際はよろしくお願いします。

 

 

反省
今回の走行では全般的に縦の動き(加速・減速)に自分が対処できていない感じでした。自分自身の身のこなし方やアクセル・ブレーキの使い方がスムーズでなく、車体が余計な動きをしてうまく走れない感じです。タイムも7秒台で前回(5/8)の走行より3秒も遅くなってしまいました。色々と課題があるので次回までにしっかり整理をして臨みたいと思います。