S1000RR DTC「-7」の衝撃

秋は始まるそぶりも見せていなかったというのに唐突に深まってしまい、オートポリスはそろそろ路面温度的に厳しさを感じる季節となりました。今回は溶けるような暑さの8月に中途半端なタイムで終わったHSR九州へとリベンジに向かいます。

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ブレーキフルード交換
走行前にフロントのブレーキパッドを新品に交換。今回もBMWの純正パッドです(3セット目)。あわせてブレーキフルードも交換してもらいました。こちらはワコーズのSP-4。

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ブレーキのタッチは純正と大きく変わりませんが、連続走行でタッチの変化が少ない(レバーが奥に入っていかない)ように感じました。好印象です。
レース用のフルードに換えればもっとカッチリとしたタッチに出来るかもしれません。ただしマスターがノーマルのままではブレーキのコントロールが難しくなってしまうのでは、という心配もあります。

 

 

禁断のDTC「-7」
S1000RRのトラコンを最弱にすると加速力が変わるという話をツイッターで聞いて、早速試してみました。
走行モードのトラクションは「1」。(これは以前から変わらず)
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さらにDTCの数値を最小の「-7」に切り替えます。
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結果、かなり変わります。立ち上がりでフロントがポンポン浮くようになりました。
特に顕著なのがバックストレート。直線前半の上り勾配から平坦になる場所でフロントが浮きやすいのですが、DTCが「-4」前後だと2~3cmうっすらとフロントアップするくらいだったのが、「-7」だと10cmくらいフワ~ッと離陸するように浮き上がってきます。(感覚的な話なので実際はそこまで上がっていないかもしれません)
慣れないと怖いけれど、その代わり加速力は間違いなく増しています。
なお、ウイリー制御は「2」にしています。軽いウイリーを許容して駆動を最適にするモードです。

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DTCを最小値に設定してもトラコンが機能しないわけではなく、然るべき場所でメーター上のトラコンランプが点滅していることも確認できました。そもそもトラコンは万能の安全装置ではなくDTCの数値が標準の「0」前後であっても不用意なアクセル操作(特に開け始め)でタイヤはあっさりと滑ることがあります。あくまでも補助的な制御であってDTCが「-7」であれ「0」であれ乗り手の適切なアクセルワークが求められることに変わりはありません。その認識に立てば基本は最弱に設定し、タイヤの摩耗が進むなどコンディションの変化に伴いアクセルを開けにくいと感じた時に適宜介入を強めるような運用で良いのではないかと思います。

とはいえ乗り手のスキルに合わせることも必要です。トラコン最弱はフロントが簡単に浮くし加速力も強烈。その挙動にビビってアクセルを開け切れなければ本末転倒です。開けるべき時にカチッとストッパーに当たるまでアクセルを開けるスキルがないのであれば、トラコンの介入を増やしエンジンモードもソフトに変更して開けやすい設定とした方が結果的に速く走れます。
偉そうなことを書いていますが僕もまだ慣れないので、走行を重ねて対応できるようにしたいと思います。トラコン最弱はS1000RR本来のポテンシャル(の片鱗)を味わうことができる、禁断のモードでした。

 

 

走行シーン
ということで、実際の走行動画はこちら。

フロントアップに戸惑いながら、どうにか1分9秒台に突入。デイトナ675Rの自己ベストは更新できました。

 

 

走行メモ(自分用)

  • HSRはスプロケをもう少しショートにしたい。フロント1丁落としが良さそう。
  • バックストレート後の左コーナー(2ヘアの手前)は通過速度を上げることを意識する。ストレートエンドのブレーキで減速しすぎない。
  • 2ヘアで減速しきれずインに付けていない。続くシケインのライン取りに影響してタイムを失っている。
  • ハードブレーキを試みるとリアがすぐに浮くので、ブレーキングは後ろに座ることを意識。
  • 10秒を切るまでは勢いが大事。ガツンと握ってガツンと開ける。
  • 9秒から先は勢いに加えていかにスムーズに走るかが鍵だと感じる。丁寧なライン取りとメリハリをつけてムダを減らしていきたい。
  • 675Rのベストラップと比べると全体的に粗削りな走り。もう少し詰め所はありそう。