基礎体力

僕のような一般のライダーがサーキットでスポーツ走行をするにあたって、日頃からどのような準備を心掛けておくべきでしょうか? 一つだけ挙げるとすれば、それは基礎体力の維持・強化だと思います。
ライディングというのは、前後左右に発生するGに抗いながら自らの体をマシンの適正な位置にホールドし続ける筋力と、同時にマシン上で自由自在に動き回る身体能力・バランス感覚が求められる、紛れもない“スポーツ”です。今のような夏であれば灼熱の炎天下でツナギ・ヘルメットなど、じっとしていても汗が噴き出して気分が悪くなるような重装備に身を固めながら激しい運動を行うのです。
同じバイクでも、シートにどっかりと座って風を感じながら流すツーリングとサーキットにおけるスポーツ走行では(ライディングの基本は同じとはいえ)全く違う様相を呈すると言って差し支えありません。
若いうちならともかく、日頃デスクワーク中心の仕事と家族サービスに明け暮れてろくすっぽ運動もしていていない30代〜50代のおっさん(おばちゃん)が、何の準備もなしにツーリングと同じ感覚でサーキットを走ったって思うように走れるはずがなく、それは子供の運動会の父親競争に張り切って参加したものの、日ごろの運動不足がたたって気持ちと裏腹に足がもつれて転倒するお父さんが続出する光景と何ら変わりがないというものです。

 

 

 

ジム通い
僕自身はかつて日常的な運動と縁遠い生活を続けていたのですが、加齢とともに体力の低下を痛感した5年前からスポーツジムに通い始めました。
それ以降、出張が続くなど仕事に時間を取られて1~2か月休止することはあるものの、今に至るまで地道にトレーニングを続けています。

 

 

 

トレーニングの内容は?
ランニングと筋トレ。
筋トレは主に体幹(背筋・腹筋)と下半身を鍛えるようにしています。
背筋・・・デッドリフト(バーベルorダンベル)、ラットプルダウン
腹筋・・・クランチ、レッグレイズ、腹筋ローラーなど
下半身・・・デッドリフト、バーベルスクワット、ブルガリアンスクワット
上半身の筋肉はバイクに乗るうえで必要ないと思っているのですが、下半身ばかりではバランスが悪いので時おりダンベルプレスやショルダープレスを織り交ぜています。

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負荷は?
バーベルスクワットやデッドリフトは60~80kgを10回3セット。ベンチプレスに至ってはせいぜい40kgくらい。
トレーニングの目的がマッチョになることではなくスポーツ走行に向けた基礎体力の向上なので、闇雲に負荷を上げることはしません。以前はもっと負荷を上げて追い込んでいましたが、やり過ぎると体調を崩して(筋トレあるあるで扁桃腺が腫れて風邪をひく)しばらくトレーニングを休むということを繰り返していました。こうなるとモチベーションも下がって継続が難しくなるので、今は自分の体力に見合う適度な負荷を心掛けています。

 

 

 

ウィズコロナ
今年は新型コロナウィルスのせいでジム通いを断念、自宅にダンベルとベンチを置いて家トレに切り替えました。最近は筋トレよりランニングの比率を増やし、1回5km程度を淡々と走り込んでいます。

 

 

トレーニングとタイムに相関性はあるか?
筋トレやランニングで動ける身体作りをしておかないとスポーツ走行は楽しめませんが、かといってトレーニングを死ぬほど頑張ってマッチョになったらタイムが1秒速くなるかと言えば、そんなことはありません。
速く走るほど身体的な要求度が高くなるのは間違いありません。MotoGPライダーが一様にアスリート体型なのは、凄まじい加速・減速Gが発生するモンスターマシンを乗りこなす圧倒的なライディングスキルを支えるため必要に迫られた結果でしょう。逆に僕のように大して速くもない一般のライダーは、いくら体を鍛えてもそれを活かすだけのスキルがなく宝の持ち腐れです。
トレーニングというのは基本しんどいもの。必要以上にガムシャラに鍛えても、結局キツくなって一過性で終わってしまったら意味がありません。自分の走行レベルに見合う筋力・体力がどれくらいかを見極めながら継続することが大切なのです。

 

 

 

トレーニングを始めた頃に書いた、5年前の記事はこちら。