オートポリスの走り方を再考

オートポリスの走行動画をツイッターに上げたところ、色々な方から示唆に富むアドバイスをいただきました。

このツイートに寄せられたアドバイスや、リアルでお会いした方からのお話を自分なりに解釈し直したうえで、オートポリスの課題をまとめます。

 

 

① 全体的にコース幅を有効に使えていない
【問題点と原因】
ほとんどのコーナーにおいてクリッピングポイントでインに寄せ切れていない。進入もアウトにもっと寄せられる。現状はコースの中央付近しか使わずに走っている。

【対策】
そもそも自分の中でライン取りの意識が低い。優先順位を上げて取り組む。
クリップでインに付けない原因の多くはボトムのスピードを落とし切れていないこと。各コーナーで自分の感覚より5~10km/h速度を落とすところから始めたい。

【目指すこと】
アウト~インを目一杯使うことでコーナーの曲率を緩やかにする。極めて基本的なことだけれど、それができていない。
またクリップでインに付けない=大回りしている=走行距離が伸びる、であり距離的にタイムをロスしている。最短距離を通過することでタイムが短縮される。

 

② 3コーナー進入でアウトに寄せ切れていない
【問題点と原因】
進入のブレーキで無意識にスルスルとイン側に寄ってしまい、寝かし込みがミドルからとなっている。

【対策】
ブレーキングは寝かし込みのポイントまでアウト側で我慢して、そこから一気に寝かしてコーナーに入る。

【目指すこと】
アウトから進入することでコーナーの奥が見通せるようになり、かつクリップを奥に取ることで加速区間を作れるし、続く4コーナーに対してアプローチしやすくなる。

 

③ タイトコーナーの開け始めが重要
【問題点と原因】
ヘアピンや1コーナーなどのタイトコーナーにおいてコーナーリングスピードが高過ぎるため向きが変わらず、立ち上がりでアクセルを開けられていない。

【対策】
より多く減速してボトムスピードを落とし、向きをしっかり変えてからアクセルを開ける。どんなコーナーでも「ここまで速度を落とせば向きが変わってインに寄っていく」スピードがある。そこまで我慢できずに中途半端にアクセルを開け始めてしまうのが元凶。

【目指すこと】
向き変えの時間を作ることで今までより早くマシンを起して全開にできる。GPSロガーの速度グラフがV字を描く(現状はU字または逆台形になっている)。

 

④ コーナーの進入に迷いがある
【問題点と原因】
進入時に最終到達点が確定されておらず、コーナーに入ってから軌道修正して最終到達点に“移動”している。加速前までの減速度にムラがある、速度グラフでは二段減速になっている。

  ↓

最終到達点すなわちクリッピングポイント(CP)に向かってどのように到達するかイメージできていない。CPの場所が明確でないし、CPまでどのような操作で進むのかもイメージできていない。
またダブルクリップを取るコーナー(1ヘア後の左100Rや最終手前の右)では進入速度を上げて一旦アウトにはらんでからインに戻る走りを模索しているが、まだ走り方が確立されておらず進入速度とラインが安定していない。

 

⑤ 1コーナーは減速しすぎて調整している
【問題点と原因】
④と重複する課題だが、1コーナーに関してはブレーキで止まり過ぎている。

【対策】
まずはいつも通りのブレーキで、寝かし込みの手前でいつもなら減速しすぎでブレーキを緩めているところを、緩めず減速し続けて寝かし込んでみる。
  ↓
全力で曲がろうとすれば、当然インに付きすぎて(イン側に)コースアウトしそうになる。
この状態をまず確認する。
  ↓
曲がる時の速度を底上げすることでコーナーリングの円弧が大きくなるので、CPに付ける。
具体的にはブレーキの強度を少し緩くして、寝かす場所は一緒。(または怖ければ少し手前から寝かしても良い)
  ↓
現状だと1コーナーのブレーキングはマージンを多めに残しているので、もう少し詰められる。ブレーキングポイントはピット出口のゼブラゾーン先端を基本としつつ、少しずつ奥にずらす。ただしその日の気温や風向きでストレートの最高速は変わるので、当日のコンディションを見極めてから少しずつやる。
  ↓
仮想CPをインから30~40cm外側に設定すると気が楽になる。これならインに突っ込み過ぎても不足でも路面が存在する。30~40cmインから余っていても許容範囲。

1コーナーのブレーキングポイントに関する記事はこちら。

 

⑥ 1コーナーでフルバンクの後すぐにもたもたと加速方向に探るように使っている
【問題点と原因】
寝かし込んだ後、速度を保ちたいという気持ちからすぐにパーシャルにアクセルを当ててしまうため、なかなか向きが変わらない。

【対策】
全開できる向きに変わるまで、アクセルは完全オフで待つ方が安全。

【目指すこと(⑤⑥共通)】
1コーナーは(無理のない範囲で)ブレーキの精度を上げる。
どこにCPを取るか、またそのCPでどこまでインに寄るか明確なイメージを持つ。
寝かし込んだら慌ててアクセルを開けず、向きが変わるまで完全オフ。速度グラフがV字になるように。

 

⑦ 2ヘアは大回りし過ぎ
【問題点と原因】
ブレーキで突っ込み過ぎ、またコーナーリングスピードが高過ぎてクリップでインに付けず大回りしている。

【対策】
2ヘアのブレーキはもう少し余裕を持たせて進入速度を落とし、寝かし込んだらアクセルオフ(すぐパーシャルにしない)でボトムスピードも落として向き変えを待つ。

【目指すこと】
クリップでしっかりインに寄って最短距離を通り、かつ現状より早いタイミングでアクセル全開にする。速度グラフはV字に。

 

⑧ 登り区間 右・右への進入で切り返しが遅れている

【問題点と原因】
手前の左(80R)で向き変えが足りずアウトに膨らんでいるため、苦しい切り返しになっている。切り返しが遅れて右・右(60R→50R)で大回りしている。
また切り返し動作そのものが遅い。

【対策】
ジェットコースターストレートから2つ目の右(90R)はアウトに膨らまずミドルで我慢して次の左(80R)に切り返す。ここでアウトに膨らむとその後の上り区間全てに影響する。
左(80R)は向き変えを強く意識して出口までコース中央より左をキープ。続く1個目の右はインをかすめるが、進入でミドルからインに向かうラインを取る。
切り返し動作を全力でやる。

【目指すこと】
現状、1個目の右はインをかすめるがアウトに向かうようなラインとマシンの向きになっている。
手前の左(80R)でしっかり向きを換えることで、1個目の右の進入からマシンがインに向いた状態となり、2個目の右に向かって速度を落とし過ぎずかつアウトに膨らみ過ぎず通過できるようにする。

 

⑨ その他

  • ブレーキの握り方は色々試す。このコーナーは強く握りたいので4本握り、というのもアリ。
  • 開けていくところで躊躇している。開けられる自信を身に着ける。

 

 

まとめ
現状の課題をまとめると、大きく二つに分けられると考えます。

  1. ライン取りの意識が希薄なのでより明確にイメージする。ラインだけではなく、どのような操作をして、マシンがどのような状態でどのラインを通過するかまで具体化する。
  2. 自分の曲げる能力に対しコーナーリングスピードが高過ぎる。寝かし込んでからすぐにアクセルを当てる悪癖がある。ボトムで待って向きを変える。

 

向き変えに関しては次回の記事でもう少し掘り下げます。