S1000RR ファイナルの検討

今回S1000RRで新しく換装したパーツの中で、とりわけ影響の大きかったのは(予想していた通り)スプロケットの変更でした。チェーンを520サイズに変更したうえで、スプロケットはかつてS1000RRで全日本選手権に参戦していたライダーから受けたアドバイスをもとに、ノーマルより約8%ショートとなる丁数を選びました。これはオートポリスを想定した変更です。

純正スプロケットの場合オートポリスにおけるギア選択は、

  • ヘアピン 2速(ないし1速)
  • ヘアピン以外の各コーナー 2速
  • ホームストレートは5速まで

という組み立てになります。

 

これを、

  • ヘアピン 2速
  • ヘアピン以外の各コーナー 3速
  • ホームストレートは6速

で走れるようにすることが狙いです。

 

ただし今回チョイスした丁数は全日本ライダーの走りに合わせた数値であって、それよりも遥かに遅い僕の走りでは回転数が下がりすぎるのでは…という懸念がありました。
実際に走るとそれは的中し、2ヘアまでの前半部分は良いとしても、ジェットコースターストレートを下った以降の登り区間を3速で走ると僕のスピードではファイナルがロング過ぎて立ち上がりの加速が明らかに鈍化していました。

 

 

GPSロガー
GPSロガー(RaceChrono)を活用して各区間の速度を過去の走行と比較してみます。
以下の画像の数字は各区間のボトムスピード(最低速度)とトップスピード(最高速度)を示しています。赤色がボトム、緑色が最高速です。

まず今回のベストラップ。

 

続いて純正スプロケットにて2分3秒〜4秒のラップ。

 

 

ファイナルコーナースタンド手前
さよりんブリッジを抜けてファイナルコーナースタンドに向かうまでは、短いながらもカチッと全開にする直線が存在するわけですが、この区間における最高速は今回が155km/h。純正スプロケットの時は161〜164km/h。6~9km/hの差が生じました。こうした差の蓄積がタイムに確実に反映されていると感じます。本来の狙いはファイナルの最適化によって加速をより改善したかったのに、逆効果となってしまったわけです。

 

 

ホームストレート
続いてホームストレートの最高速を見ます。従来は5速までしか使えなかったのが、ショート化により6速まで入るようになりました。しかしスプロケ変更前後で最高速を見比べても有意な差があるようには見えません。この長い直線の到達速度については風向きや気温に大きく左右されるため、単純な比較は難しいところです。

 

 

2ヘア手前
一方でスプロケ変更が功を奏した区間もあります。2ヘア手前の250Rです。ここは上り勾配がきついうえバンクさせながら開けていくため、乗り手が開けているつもりでもなかなかバイクが前に進まない(加速しない)区間です。ギアの選択は純正スプロケ、換装後とも同じで3速→4速。スプロケ変更後はショート化により同じギアでもより高い回転数、パワーバンドに乗せやすく、僅かながらバイクが前に進むようになりました。最高速を比較すると今回が206km/h、純正スプロケ時は199km/h~203km/hでした。

 

 

走行動画
スプロケ変更の影響を映像で確認するため、久しぶりに走行動画もアップしてみました。良かったらこちらもあわせてどうぞ。

 

 

次なる選択は
こうした結果を踏まえスプロケの丁数を再度変更します。次はリアを現状から2丁増やし、更なるショート化を図ります。ノーマルと比較すると都合13%強ショートに振ったことになり、これでおそらく後半区間は改善すると思います。ただ今度は他の区間でレブに当たってしまう可能性があります。この辺がスプロケ選びの悩ましいところですが、もう少し試行錯誤して良い妥協点を見出したいものです。