新型M1000RR

S1000RRに続いて、新型M1000RRが発表されました。

かつて「人は見た目が9割」という書籍がベストセラーとなりました。人と人とのコミュニケーションにおいては、身なりや表情など見た目の部分によって相手に与える印象がほぼ決まってしまうという内容です。
これと同じことは人とバイクの関係性にも当てはまるところがあると感じます。少し前にツイッターで「#今の相棒を所有した訳を手短に言う」というハッシュタグが広まった際、「一目惚れ」という理由がとても多かったのです。これは僕も共感できるところで、今まで所有してきたバイクにも多かれ少なかれ当てはまります。

M1000RRはレースに直結するマシンですから、まずは見た目の印象としてレースシーンを想起させるキャッチーな装いを身に纏うことは、商品価値を高める点で理にかなっていると言えます。

 

こういうマシン造りはなにもBMWに限ったことではなく、ドゥカティやアプリリアもドギツイまでに空力デバイス全部載せしたモデルをアイコン的な存在としてフラッグシップに据えており、ある意味定石といえるのかもしれません。この点、国産車の外観はかなり控えめですよね。

個人的な感想としては、先の記事でも書いた通り僕はこういうゴテゴテした付属物が好きになれません。(好き嫌いは人それぞれですから…ウイング好きな方はゴメンナサイ)

 

というわけで大きく変更された外観が耳目を集める新型M1000RRですが、中身に目を向けると現行型からの変更点は少ない模様で、動力系のスペックは現行の数値を引き継いでいます。車体についてはホイールベースやトレールの数値が若干異なっているのが気になる点ですが、これに関する詳細は今のところ判っていません。細かな変更点はあるものの、軽微なアップデートに留まるのではと想像しています。

要するに今回の新型は外装のお色直し的な内容だろうということです。もちろんこの車両が走行する200km/h以上、時に300km/h超の速度域において空気の影響は絶大ですから、外装の変更に伴い空力性能が向上しているのであれば、それは単なる見た目の変更にとどまらない重要な性能アップと言って差し支えありません。お色直しといっても、一般的なフェイスリフトと同列に見なすのは早計かもしれません。

 

一般ライダーの視点で考えると、例えば1,000ccでイベントレースに出るみたいな用途なら新型S1000RRがとても魅力的です。『神経質な取り扱いが不要なM1000RR』という構成で価格もMより控えめ(といっても現行Sよりは上がるみたいですが)だからです。可能であればDDC(電子制御サス)なし、アルミ鍛造ホイールの組み合わせがベストですね。

僕は今のS1000RRと心中する所存です。