日本人の足に合うレーシングブーツ

SUPERTECH Rが履きたかったけれど…
レーシングブーツとして抜群の知名度を誇るアルパインスターズのスーパーテックR。多くのMotoGPライダーやSBKライダーが使用しています。

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特筆すべきはインナーとアウターの二重構造になっている点で、それによって操作性(足の動かしやすさ)とプロテクション性能を両立させている・・・のだそうです。
今年(2021年)から「スーパーテックR v2」という最新モデルがリリースされている・・・みたいです。

僕も以前、実際に購入するつもりで試着までしたのですが、そこで一つの問題に直面しました。このブーツの足型は欧米人向けの細身であるため、日本人として典型的な幅広・甲高の僕には全く合わなかったのです。どんなに大きなサイズを試してみても足の横幅が窮屈なため泣く泣く諦めることになりました。同じ思いをしているライダーは結構多いんじゃないでしょうか。

 

 

体型に合うことが大切
バイクの装備を選ぶうえで大切なのは、それが自分の身体にフィットするかどうかです。どんなに良い装備でも身体に合ったものを選ばないと本来の性能を発揮できないし、ライダーがバイクの上で自在に動くのを妨げてしまいます。今の時代、ヘルメットは内装のフィッティングで自分の頭に合わせるし、革ツナギはフルオーダーまで行かなくてもイージーオーダーで部分補正して自分の身体にフィットさせるのが一般的です。ブーツはサイズ補正が出来ないので、既製品で自分の足に適したものを選ばなければいけません。

ところがレーシングブーツは海外製が多く、日本人の足に合う製品は意外と少ないのです。僕がこれまで履いたのは

  • ガエルネ GP-1(現在は廃盤、後継モデルGP-1 EVO)
  • クシタニ GPWブーツ

両者に共通しているのは日本人用の木型を使用し、幅広・甲高の足でも違和感なく履ける点です。

 

 

クシタニ GPWブーツ
特に二年前(2019年)に購入したクシタニのGPWブーツは秀逸で、元々の足型が日本人向けであることに加え、甲からふくらはぎにかけて足全体をベルクロでフィッティングする構造になっていて完璧に自分の足に合わせることができます。しかもレーシングブーツとは思えないほど柔軟な造りで買ったその日から一切違和感なく使用することができ、すっかりお気に入りの装備となりました。

ただ、この柔軟性と引き換えにプロテクション性能に少し懸念があり、特にS1000RRに乗り換えてオートポリスを中心に走るようになると速度域も高くなって、よりプロテクション性能の高い海外製を検討した方がいいかも…と考えるようになりました。
そうして様々なメーカーを調べたところ、「日本人の幅広・甲高に合い、プロテクション性を重視した海外製」・・・その条件に当てはまるブーツが一つだけ見つかりました。

 

 

XPD XP-9R
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XPDはイタリアのライディングウェアメーカーであるSPIDIの派生ブランド。そのレーシングブーツとして最高峰に位置付けられるXP-9Rの特徴は、インナーブーツとアウターの二重構造となっている点です。そう、冒頭に触れたアルパインスターズ・スーパーテックRと同じ造りなのです。

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そしてここが重要な点なのですが、XPDはイタリア製であるにもかかわらず幅広の足型を採用する傾向があり、日本人の足にも合いやすいという情報を得ました。

 

 

サイズ、カラー
XPDのサイズ表は以下の通り。56design(XPDの販売代理店)より引用。

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僕の普段履きは26.5cm~27.0cmで、XP-9Rは43サイズ(27.5cm)を購入。実際に履いてみるとジャストサイズでした。

カラーは全4色。ホワイトのみパンチングレザー仕様です。

 

 

実走インプレッション
ブーツを履いても足がガッチリ固定される感じはなく、比較的自由に動けます。ただしおろしたては革がまだ硬いため爪先の上げ下げが少しやりづらく、走行中に何度かシフトミスをしてしまいました。この点は買った初日から長年履いているかのように馴染んだクシタニのGPWブーツに敵いません。
その後数回使っていると柔らかさが出てきてシフト操作も気にならなくなりました。GPWブーツは別格としても、他のブーツと比較してXP-9Rの操作性は良い方だと思います。

 

 

脱ぎ履きのしやすさ
XP-9Rはアウターの開口部が大きく開くので足の出し入れが楽です。

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履く時は、

  1. インナーのひもを締める
  2. アウターのジッパーを上げる
  3. ふくらはぎのバックルで固定

の3段階とシンプル。脱ぎ履きのしやすさは意外と重要なポイントですよね。

 

 

トップライダーも使用
全日本ではハルクプロの名越哲平選手と埜口遥希選手が使用しているようです。他にも目玉メットなライダーの使用率が高いはず。

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余談ながらこのムサシカラーも今年で見納めとなってしまいましたね…。

 

 

どこで買える?
正規代理店である56designのほか、ウェビック等でも購入できるようです。

海外の通販サイト経由で個人輸入する手もあります。僕はFC-Motoを利用して、国内のウェブショップより3割以上安く購入できました。
サイズに不安がある場合、56designで購入すると2サイズを送ってくれて試着できる(不要なサイズのみ返送する)サービスがあるので、こちらで買った方が確実だと思います。

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 ↑ ↑ ↑ 56designより引用 ↑ ↑ ↑

 

 

まとめ
XPDのXP-9Rは日本人の足型に合い、操作性・プロテクション性能を高いレベルで両立させたブーツだと思います。他の海外製品がどうもしっくりこないという人は一度試してみてはいかがでしょう。
アルパインスターズやダイネーゼは高性能でブランド力も高いから憧れるのですが、ことブーツに関しては欧米人向けに足幅が細身の造りなので、憧れだけで買ってしまうと失敗するリスクもあります。本当に自分に合う、良い物を身に付けたいものですね。