S1000RR スクリーン比較

S1000RRのスクリーンをいくつか試したので比較インプレッションです。

 

ノーマルスクリーン
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ノーマルスクリーンは小ぶりで性能的にあまり期待できないように思えますが、見た目に反して絶妙な整流効果を発揮します。レーシングポジションでタンクに伏せるとギリギリのラインで風を受け流し(ヘルメットのすぐ上を風が抜けていく感じ)、しっかりと役目を果たします。
ノーマルの真骨頂はライダーが伏せない普通のライディングポジションの時に現れます。上体を起こして走れば胸から上はカウルの外に出て風が当たるわけですが、それをスクリーンがうまく整流して和らげてくれるのです。風は受けるが不快に感じない、そのさじ加減が秀逸。
サーキットでもない限りタンクにべったり伏せて走ることはありません。ツーリングでは基本的に上体を起こして長時間走ります。その姿勢において風を防ぐというよりも散らして疲労感を軽減してくれる感じで、おそらくBMWはこうしたシチュエーションを緻密に計算してスクリーンの形状を決めているのでしょう。サーキットを走らないのであればノーマルスクリーンをあえて変える必要はないと個人的には思います。

 

 

 

MRA
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MRAはノーマルより高さがあり、やや立った形状です。「レーシングスクリーン」という名称で、その名の通りサーキット向けでしょうか。タンクに伏せるとノーマルと比較して風の当たらない空間が少し広がる気はするものの、大差ありません。
問題は上体を起こした時で、スクリーンの上を抜けた風がヘルメットや胸にダイレクトに当たります。この点がノーマルスクリーンと大きく異なり、ツーリングの姿勢ではMRAのほうが疲労度が大きいと感じます。
また個体差かもしれませんが形状の精度がやや低いのか、カウルとの接触面でエンジンの振動によるビビリ音が発生してわずらわしいです。
総合的に見てノーマルスクリーンのほうが良いと思います。MRAは各種レースシーンで使用される有名なブランドですが、S1000RRに関しては購入する際に注意が必要です。

 

 

 

プーチ R-RACER
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プーチは2種類あります。

  • Z-RACING ノーマルに近い形状
  • R-RACER  大型でかなり高さがある

僕が装着したR-RACERは、WSBKなど近年のスーパーバイクでトレンドとなっている大型スクリーンです。これだけ高さがあると伏せた時にすっぽりと体がスクリーンの中に収まる感覚で、先日走行したオートポリスの直線でも安心感がありました。
上体を起こすとヘルメットの上部に風が当たりますが、まあ許容範囲かなという感じです。現時点ではこのスクリーンをメインで使用しています。
ところでこの大型の形状は一昔前ならツーリング向けの野暮ったいデザインという印象だったのに、今やレーシーなイメージに変わりました。デザインのトレンドって面白いです。

 

あと個人的にスクリーンはクリアの一択です。色付きは視認性が劣り安全をスポイルするし、何と言ってもクリアスクリーンがレーシーですよね!