オートポリス スポーツ走行 2021.3.14

S1000RRのナラシを終えて、いよいよオートポリスで力いっぱい走る日がやって来ました。

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タイヤ
この日に備えて新品タイヤに交換。ミシュランのパワーカップ2です。
サイド部には溝がなくまるでスリックタイヤのよう。しかし見た目に反してウォーマー不要、扱いに神経質なところがなく公道でも普通に使えるとのことです。

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タイヤ交換は675Rの時からお世話になっているレイラスポーツにお願いしました。


 

サーキットにおける空気圧はミシュランのHPを参考にしています。下表の数値は全て冷間時です。

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まずは肩慣らし
オートポリスを走るのは随分久しぶりなんですが、いざコースインすると675Rで走った時の感覚が体に染み付いていてマシンの挙動の違いに戸惑います。特に感じたのは以下の2点。

 ① S1000RRは寝かし込み、切り返しが軽い
 ② S1000RRはエンジンブレーキが効かない

①については初めて乗った時から感じていることで、様々な動作でフリクションが少なく軽い力で操作できます。これはもちろん良い点なのですが、フリクションが少ないというのは乗り手にとって手応えが少ないことでもあります。
接地感とかグリップ感というのはある種の抵抗感・摩擦感(=フリクション)が手応えとして乗り手にフィードバックされている状態だと理解しています。わかりやすい例としてコーナーリング中にギア抜けすると、急にマシンの挙動が軽くなって不安定になります。その時に乗り手は接地感が失われたと感じます。
S1000RRに接地感がないわけではないのですが今の僕は675Rのフィーリングが基準になっているので、それと比べてフリクションが少ない → 手応えがない → なんとなく不安に感じるという状態になっています。

 

②について。
S1000RRは電子制御の設定にエンジンブレーキの項目があり「RACE」モードの初期設定は最小、つまりエンブレが最も効かない状態です。すると今までエンブレだけで速度調整(減速)していた区間でマシンが空走するように進んでしまい、面食らいました。さらにエンブレが効かない=フリクションが少ないというフィーリングになるので、①の要素を助長します。

 

これら①②によって、1本目は探り探りの走行でした。もちろんリッターバイクの本領である凄まじいパワーにも全く対応できていません。

 

 

 

クイックシフター
S1000RRは先月の走行でダウン側のシフターが作動しない症状に見舞われており、ディーラーにも相談しながら原因を探っていましたが、今回の走行でほぼ特定し問題は解消しました。
原因は2点。

  1. シフトペダルが緩んでグラついていた
  2. ハードブレーキング中はスロットルが少しでも開いているとシフターが作動しない

今までシフトダウンの際にゴリッと引っかかるような感触があり、これは恐らく1が原因。またペダルのグラつきによってシフターに正しく力が伝わらず、センサーが感知しにくい状態になっていたと考えられます。
2はシチュエーションにより結果が異なる点に注意が必要です。街乗りの軽めのブレーキングなら多少アクセルを開けながらシフトダウンしてもシフターは作動します。でもサーキットのハードなブレーキングでは確実に全閉にしなければ作動しないことが判明しました。
街乗りでわざとアクセルを開けてシフトダウンしてもシフターは作動したので当初はこれが原因ではないと考えたのですが、サーキットで改めて検証すると結果は違いました。今回はブレーキング時に注意深くアクセルを戻すようにしたところ、シフターは確実に作動しています。

 

僕の場合、操作の癖でブレーキングの際にアクセルを完全に戻し切れていないことがあります。これは、

  • 加速からブレーキに移行する際、アクセルを戻す操作が雑になっている
  • ブレーキレバーを手前に引くように握るため、アクセルが開く方向に力が入っている

この2点が原因のようです。自分としてはしっかり全閉にしているつもりなのに無意識にスロットルが開いてしまっている状況で、これは僕以外にも当てはまる人がいるのではないでしょうか。
ともかく、今回の件でブレーキの掛け方も見直そうと思います。

 

 

 

初回のノルマはクリア
昼を回ると空一面に厚い雲がまとわりついてパラパラと小雨が降り始めました。気温も朝よりむしろ下がり始めて微妙なコンディション。昼イチの2本目は雨に負けて途中で走行を中断。その時の様子は下記ツイートにて。

 

青空ピットなものですからハイエースのリアゲートを屋根にして雨宿り。

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このまま帰ろうか悩んだのですが、一応15時の枠まで待ってみると雨は上がってドライで走れそうなのでコースインしました。
エンジンブレーキはやや効かせる設定に変更、有り余るパワーは一段高いギアを使うことで675Rに近い感覚で走れるようになりました。いずれ走り方はS1000RRに合わせて変えていかなければならないでしょうが、慣れるまでは自分の身の丈に合うライディングに徹することが肝心です。急がば回れ。
それでも最終的には2分9秒を記録して「とりあえず10秒切り」のノルマ達成です。

 

 

 

そして悪夢が訪れる
走行を終えてチェーンの清掃やタイヤの空気圧など簡単にメンテナンスを行い、サイドスタンドを出してリアスタンドを外したところ…出したはずのサイドスタンドがデテイナァァァイ! S1000RRは成す術もなく左側に倒れました。

 

クラッチレバーはポッキリ。

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フレームスライダー。

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ハンドルバーエンド。

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エンジン二次カバー。

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まだ新車と言ってもいい大切なS1000RRが傷モノになってしまいました…。
幸いスライダーが良い仕事をしてカウル類は無傷。パドックの中を軽く走行してみても特に異常は感じられませんでした。しかし直立の状態から何の支えもなくドスンと倒れており、フレームスライダーが衝撃のほとんどを受け止めた格好です。局所的に力が加わってフレームに影響が出ていないか、またスライダーの設置箇所はエンジンマウント部分でもあるためエンジンに影響が出ていないか。心配性な僕は寝ても覚めても気掛かりで仕方ありません。誰か僕を慰めてください。