セルフ サティスファクション

それではここで間違い探しです。2枚の画像は同じCB1100RSですが、一箇所だけ異なる部分があります。それはどこでしょうか?

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上の画像がbefore、下がafterです。よく見比べてみると、車体全体のバランスが微妙に違うと思いませんか? ヒントはリア側です。

 

 

 

 

正解は…こちら。

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リアフェンダーのショート化です。
外見上わずかな違いしかなく、どうでも良いようなカスタムに思える…というか実際どうでも良い内容なんですが、今日はこのパーツをあえて導入した過程を記したいと思います。

 

 

 

候補① 龍神ジャパン
リアフェンダーの変更というのは定番のカスタムですし、このバイクを購入後真っ先に取り組みたいと思っていました。最初に検討したのはフェンダーレス。龍神ジャパンというショップからリリースされています。

 

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こうして後ろから見ると、スッキリしてなかなか良さそうです。


では全体のプロポーションで見た時はどうでしょうか。

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ノーマルと比べるとリアが極端に寸詰まりで、なんだかバランスが悪いですね。CB1100RSはCB1300SFやZ900RSなど他のネイキッドと違ってテールカウルがなく、シートから直接伸びた長いリアフェンダーがデザイン上の特徴となっています。フェンダーレスにするとシートエンドから先がスッパリと切り落とされた形になるため、ボリューム感のあるタンクやエンジンに対し車体後半が寸足らずとなって全体のバランスを崩してしまうんですね。
フェンダーレスのスタイル自体はカッコいいと思うのですが、このバイクでそれを生かすにはセンスが求められるように思います。例えばタンクを初期型CB1100の小ぶりなものに換装したうえで、セパハンにしてカフェ感を出していくみたいな方向性でしょうか。そうなるとかなり大掛かりな話になるし、僕としてはあくまでも純正の雰囲気を変えたくはないので、フェンダーレスに挑戦する選択肢は外しました。

 

 

 

候補② シックデザイン
しかし、ノーマルのリアフェンダーはちょっと長すぎてクラシカルに過ぎるというか、悪く言えば野暮ったいので何とかしたい。そこで次の候補としてショートフェンダーを考えました。メジャーどころでシックデザインがリリースしています。

 

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画像はCB1100ですが、うん、悪くない。悪くはないんだけどテールランプの造りを含め、いかにも「カスタムしてます」という見た目になって、ノーマルの端正な雰囲気から少し離れてしまう。シート下のフェンダーアーチが下まではみ出して見えるのも残念なポイント。悪くはないけれど僕のわがままなイメージとは少し違うと感じました。

 

 

 

候補③ ブレスアールズ
そんなこんなでネットサーフィンを続けていたところ、ふと聞いたこともないベンダーの製品が目に飛び込んできました。それが、今回装着したブレスアールズのショートフェンダーです。

  

絶妙な長さに切り詰められたフェンダーに、純正から流用するテールランプがこれまた絶妙な高さでマウントされます。

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フェンダーはFRP製とカーボン製から選択可能で、迷わずカーボン製をチョイス。

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真後ろから見た画像。
ノーマル
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ショートフェンダー
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撮影の角度が少し違うこともありますが、フェンダーが短くタイヤの露出が増えたことで、リアビューの迫力が増しました。


いま一度冒頭の画像を見比べてください。低く長く、やや間延びした印象にも取れる純正のシルエットに対し、全長がわずかに切り詰められテールランプがハイマウント化されたことで、キュッと尻が上がって凝縮された、よりスポーティなイメージに変貌したと思いませんか? かといってフェンダーレスのような寸詰まり感もなく、純正然とした完成度。まさに視覚的マスの集中です。今作った造語です。運動性能に変化はありませんが、乗り手の心はとても軽やかになりました。

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このカスタムに問題点があるとすれば、一見しただけではノーマルとほとんど見分けがつかないということです。CB1100RSのオーナーでなければこれがカスタムだとは100%気づかないでしょうし、オーナーであっても見過ごしかねない芸の細かさです。

 

しかし、それでいいんです。カスタムというのは他人の誰かに認めてもらいたくてやるものではありません。自分の好きなバイクを、自分の好きな色に染め上げて、自分で悦に浸る。カスタム イズ セルフサティスファクション(自己満足)です。

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