お盆の頃まで灼熱の暑さが続いた九州地方でしたが、9月に入りすっかり秋の気配に満たされるようになりました。
1カ月ぶりにSPA直入へ赴くと前回の閑散とした場内から一変してピットは満員、パドックもトランポとバイクで溢れかえって何かのイベント日かと見紛うばかりでした。
僕は午前中遅めの到着だったのでパドックにて青空ピットです。
さて、今回は一つの仮説をもとにフロントのセッティングを変更することにしました。
これまでの走行で分かってきたことは、
①フロントのプリロードや圧側減衰を弱めると…
- ブレーキでリアが跳ねやすい
- ヘアピンの進入でバンクさせた後に車体が落ち着くまで時間が掛かる
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挙動が不安定で恐る恐る走っている感じ
②フロントのプリロードや圧側減衰を強めると…
- ブレーキが安定する
- ヘアピンでのピッチングも減少(完全には落ち着かない)
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気持ちよく走れるし積極的に攻める気持ちも持てる、しかしタイムは悪化する
というジレンマです。②の方が断然走りやすいのにタイムが落ちるからやむなく①に戻す、すると挙動が安定せずモヤモヤした走りを強いられる…。そんな繰り返しでした。
ここで、フロントの突き出しを減らしていることを思い出しました。ノーマルの12mm(ケガキ線4本目)に対し、現状は6mm(ケガキ線2本目)です。
一つの仮説を立ててみました。
②のようにフロントはある程度プリロードや圧側の減衰を強めていかないと、走りが安定しない。しかし突き出しを減らしているために、これでは常にフロントが高いままで結果内向性が弱まってタイムが悪化している。
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突き出しを増やして前下がりの姿勢を作ったうえで、フロントのプリロード/圧側減衰を強めて安定性を増やす。フロントがしっかりと踏ん張りながら前下がりを維持した状態で一次旋回からグイグイ曲がる、これが理想のイメージです。
というわけで、突き出しを14mm(ケガキ線4.5本目)に変更し、プリロードと減衰を調整することにしました。
1本目
1本目のセッティングはフロントのプリロードを強めに調整しました。
フロントの突き出しはケガキ線の本数。4.5本目は実寸14mm。プリロードは最弱から締めた回転数。各減衰は最強からのクリック数。
最初の走行ですから体慣らしもかねて徐々にペースを上げていきます。
まだペースを上げる前の計測3週目で50秒2。ん?妙にタイムの出方が早い。
そのまま49秒台に入ります。
その後自分より少しペースの速い車両を無理しない程度に追いかけていくと、48秒9。え? まだ体慣らしの段階なのに。
せっかくなので1ラップだけアタックしてみると、48秒6。なんじゃこりゃ~!
…と、ヘルメットの中で叫んでました。
今まで走行1本目はロクに50秒も切れなかったのに、あっさり48秒中盤。思いがけない数字に驚きましたが、冒頭の仮説がドンピシャではまったみたいです。走行の感触としても、各コーナーの向き変えが明らかに向上していることを実感しました。
2本目
2本目はフロントのプリロードを抜いて圧側の減衰を大きく強めてみます。
このセットでは2コーナーから3コーナーの切り返し、3コーナーから4コーナーの切り返しがスムーズで、車体が路面に張り付いたような感触を得ました。ただし1コーナーのブレーキでリアがやや暴れます。
タイムは48秒5。フロントのストロークはかなり奥まで入っていました。
3本目
最後にフロントのプリロードと圧側減衰の両方を強めてみました。
さすがにフロントが高く重い気がします。前が高いせいかタイヤのグリップにやや自信が持てないイメージでした。タイム的には48秒4で本日のベスト。
ストロークは2本目と比べると余り気味。
まとめ
2本目以降は最初のタイムからあまり伸びませんでしたが、複数のセットを試す中で感触の違いを掴むことが出来ました。
総じて、今回の仮説は正解だったと言えます。今後はもう少しフロントの調整を試しつつ、リアの変更でより前下がりの姿勢もトライしてみようと思います。