愛ゆえに

デイトナ675Rに乗り換えて1年半。これまで自分の理想とかけ離れた走りしかできず悶々と過ごしてきましたが、ここにきてようやく乗り換える前の水準に戻りつつあります。やっと視界が開けてきました。

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この1年半で自分の走りを特に変えたわけではありません。月に1度練習走行する程度ですから、ライディングのスキルは現状維持が精いっぱいです。変えたのはサスのセッティングです。今回フロントのいいところがようやく見つかった結果、走り方は一切変えていないのにタイムが急激に良くなりました。
ところが、過去の履歴を見ると今回と同じような方向性のセットを1年前にも試していることがわかりました。不思議なことに、その時のタイムは今回よりも1秒以上遅い結果でした。自分のライディングも変わっていないし、同じようなセッティングでこの差はなぜ生じたのか…。


それはマシンに対する慣れ、乗り続けることで生まれる信頼感、言い換えるならば675Rに対するが芽生えたからではないでしょうか。この1年半、思うようなタイムが出ない苛立ちから匙を投げたくなる衝動に耐えながら、それでも次こそはと試行錯誤しながら走り続けた結果、少しずつこの675Rを信頼できるようになり、自分の体をマシンに委ねられるようになったのだと思います。思考と別の次元の理解を身体が覚えてくれた、といえばいいでしょうか。文字で表現できない感覚というものが、ライディングにおいては重要な役割を占めている気がします。
だからサスのセッティングも難しいのでしょうね。なにしろ同じ自分が同じセットで走っても、一年前と今とでは感触もタイムも全然違うわけです。したがってある人が良いと感じるセットがあっても、それを他人が試したら「???」となるのは何の不思議もありません(共通した然るべき方向性、というものは存在すると思いますが)。

 

選手権を走る若者であるなら一日も早く結果が欲しいでしょう、永く乗れば時間が解決するだなんて悠長なことは言っていられません。でも僕のように、乗ることそのものが趣味(目的)の人間にとっては、スランプの穴にはまったとしても諦めずに乗り続ければいつか自分なりの結果を掴むことができるんだと再確認することとなりました。やはり僕にとってバイクに乗るうえで一番大切なことは“乗り続けること”。乗り続ければが生まれる。があれば世界は変わる。その思いを強くした今回のスポーツ走行でした。