CBR250RR SPA直入スポーツ走行 2023.9.30

9月は、
9/18 オートポリス(S1000RR)
9/24 オートポリス(S1000RR)
9/30 SPA直入(CBR250RR)
と、三週連続でバイクに乗っていました。
順序が逆になりますが今回は直近のSPA直入、CBR250RRから振り返ります。

 

 

初の全開走行
CBR250RRは慣らしを終えて初めての走行。

車両はトップブリッジ周りにいろいろ電子機器を置いているので、熱くならないよう日傘をさしてます。

 

明日から10月だというのに気温は30℃超え。

 

良く晴れて路面温度も上がっています。

 

慣らし後エンジンオイル交換に加え、タイヤはピレリのスーパーコルサSC1、フロントフォークにHRCキットを組み込んでもらいました。
そのほかCBR250RRの仕様は前回記事にて。

 

 

電子制御の設定
パワーモードは「Sport+」、トラコンはオフ。スポーツ走行においてはこの一択でしょう。今年の新型にはウイリー制御も備わっていると聞きましたが、これに関する設定は見当たりません。そもそも必要のない機能だと思いますが…。
クイックシフターは朝イチに暖機を終えてから専用の部品を繋いでイニシャライズを行います。シフターの動作は良好で、特にダウン側のブリッピングに伴う排気音が小気味良いです。

 

 

1本目 250の走り方を探る
SPA直入は走り慣れたコースではあるものの、250ccでの走り方を改めて探っていきます。以下、各コーナーで感じたことを簡単に記します。


ホームストレート
最初に確認するのはホームストレート、1コーナーのブレーキポイントです。600や1000だと電光掲示板の少し手前から握り始めるところですが、250だとまずは100m看板を目安にして、そこから徐々に奥にずらしていきました。

 

インフィールド区間
1コーナーから5コーナーまではどちらかというとミニバイクに近い感覚ながら、トルクがある分アクセルワークでメリハリをつけられるし(ミニだとこの区間はひたすら全開固定)、上り坂で失速しないから走りやすいです。

 

ブラインドコーナー
ここは600や1000の感覚に近く、軽くブレーキを当てながら進入していく感じかなと思いました。ミニバイクだとほぼアクセル全開固定で進入するためフロントが入らず曲がりづらいのですが、250はブレーキを使える分アプローチが楽です。また大排気量車だと車速が乗り過ぎてクリップを外しがちですが、250のパワーだとインに付きやすいと思いました。

 

ヘアピン
ミニバイク的にワイドなラインで速度を殺さず通過するのか、大排気量車のように小回りして立ち上がり重視にするか悩みどころです。

 

最終コーナー
最終は立ち上がりでいかに手前からアクセルを全開にできるかが全てで、全開にするタイミングが少しでも遅れるとその後の直線でハッキリ差が開くことを他の250と並走しながら感じました。


そんなことを考えつつ、朝イチのタイムは50秒7。

 

 

2本目 荷重を掛けてみる
マシンの感覚に少し慣れてきたので、次の枠はより積極的に荷重を掛けて走ってみます。よりブレーキを強く、コーナーで自分の体重をより車体に委ね、アクセルはより開度を大きく。音にすると、ギュゥゥゥ~、ダラ~ン、バァチィィン、みたいな感じですかね。今回特に重視したのはダラ〜ンの部分。
以前YZF-R25で走った時、このように荷重を掛けようとすると街乗り仕様の足回りが受け止めきれず、サスが動き過ぎたり車体の一部を擦ったりしたため思い切り走れないという経験がありました。しかしこのCBR250RRは流石にブレーキや足回りがしっかりとしていて、何の気兼ねもなく思い切り走れることが分かってきました。ということで2本目の途中からタイムは49秒台に入り、最終周でこの日のベスト49秒2を記録しました。

 

 

3本目 色々試す
最後の枠ではブレーキの掛け方やコーナーにおける体の使い方を色々と試してみました。
唯一フルブレーキとなる1コーナーでは、強めに握り込むと初期に車体がよじれるような感覚がありました。シングルディスクだからでしょうかね? 制動力という点では良く止まり、不満はありません。ただフロントフォークのストロークを使い切っていたので、これ以上のブレーキを求めるならイニシャルを掛けていく方向でしょうか。ブレーキ以外のパートでネガが出ないよう、良いバランスを探っていこうと思います。

 

コーナーリングでは上半身をイン側に入れることで、マシンがいつもより内側のラインを通過できる、つまりより曲がってくれることを確認しました。今まで大きなバイク(デイトナ675RやS1000RR)では、極端に上半身をイン側に入れるイマドキのライディングフォームを試そうとすると、下半身でマシンを抑え込む力がおろそかになって車体のバンク角が起き上がってしまっていました。車体は寝ていないのに上半身だけ一生懸命インに入れる不格好な姿で、バンク角が少ないから当然曲がらないという状態です。だからそれらの車両ではリーンウィズに近いポジションで、上半身はセンターに残すことを基本としていました。僕の筋力・体力・技量ではそういうフォームでないと質量の大きなバイクをコントロールできないのです。
しかし軽量な250ならば、上半身をある程度イン側に落とした姿勢でも足腰で車体を抑え込むことが出来ます。そうして同じコーナーを同じバンク角で通過する際、上半身をイン側に入れるかどうかで通過するラインが明らかに変わってくることを実感しました。今後に向けて良い気づきになったかもしれません。


この枠は50秒台~49秒中盤。とりあえず49秒台なら狙って出せる感触です。
ちなみに以前YZF-R25で走った時、タイヤは同じスーパコルサSC1でベスト51秒9。その差2秒以上。僕自身のスキルは当時と変わっていないはず(年取って劣化したかも)なので、単純にマシンの性能差でこれだけタイムが違ってくるということです。

どうです? こういう話を聞くとCBR250RRのレースベースが欲しくなるでしょ?

 

 

気になる点

  • ノーマルのスプロケットだと気持ちロングかな? リアを1~2丁増やしてみたい。
  • フロントブレーキのタッチは、握り始めにクニャッと入ってから制動力が立ち上がってくるので、もう少し初期からカチッとしたフィーリングが欲しい。
  • ハイスロに出来るともう少し楽に走れるかも。現状はアクセルワークで右手首の角度に制約が生じてライディングフォームに影響が出ている感じ。

 

 

まとめ
CBR250RRレースベース車は、街乗り車にありがちな車体や足回りの腰砕け感が一切なく、ひたすら走りに没頭できる車両でした。とても楽しいです。
もともと直入をメインに考えていたのですが、これならHSRやオートポリスを走り込むのも全然アリだし得るものは多いだろうと感じます。ランニングコスト的にも今後は250RRで走行を重ね、その経験をS1000RRに活かすという運用がベストかもしれません。

CBR250RR 納車時の仕様

カウル

 

 

アッパーカウル・サイドカウルはノーマルを使用。シートカウルは交換し、アンダーカウルを装着。

アンダーカウルを取り付けるためにサイドスタンドは撤去、スタンドベース部を削っているとのことです。

 

 

ヘッドライトを取り外しゼッケンプレートで覆います。

 

 

 

ハンドル・ステップ
ハンドル周りは概ねノーマルのまま。

ちなみにハンドルストッパーがかなり浅い位置に付いていて、ハンドルの切れ角は街乗り車と比べて大幅に少なくなっています。慣れるまでは取り回しに少し手間取ります。

 

 

ステップはバトルファクトリー製のバックステップ。位置調整可。



 

エンジン周り
ECUはレースベース車専用が付属。二次エアキャンセル、バトルファクトリー製サイレンサー。

 


ラジエターファンを撤去し、サブラジエターを増設。サブラジがないと熱的に厳しいようです。

 

 

 

フロントブレーキ
メッシュホースに換装、ジクーのレース用パッドにブレーキフルードはワコーズのSP-4。

慣らしで軽く握り込んでみたところ、制動力は十分。軽量な車体なのでシングルディスクでも不足を感じることはなさそうです。

 

 

 

チェーン・スプロケット
チェーンはDIDのレースチェーンに換装。スプロケットはひとまずノーマルのまま。丁数は実走して考えます。

 

 

チェーンガード装着。

 

 

 

サスペンション
リアサスはショウワ製。公道使用不可を条件に格安で手に入ります。

 

 

フロントフォークはノーマルにHRCのキットを組み込み。減衰特性が見直され、イニシャルプリロードの調整が可能に。スプリングも変更してレートを上げています。

新型のフロントフォークは前年までのモデルとフィーリングがかなり違っているらしく、吊るしだとサーキットはやや厳しいみたいです。

 

 

 

タイヤ
納車時はOEMタイヤでしたが、慣らしを終えてピレリのスーパーコルサに交換。

 

 

 

その他
CBR250RRはアップ/ダウン双方向に対応するクイックシフターが標準装備されていますが、レースベース車にはさらにシフターのイニシャライズカプラーが付属し、走行する日の最初にイニシャライズを行います。これによってシフターの動作精度がより正確になるそうです。

 

 

タイヤウォーマーはバトルファクトリー製。S1000RR用と見分けをつけるために黒バージョンをチョイス。

 

 

レーサーの証、キーレス仕様。タンクキャップはノーマルのままですがキーがなくても開閉できるよう加工してもらっています。

 

 

 

まとめ
こうして書き並べていくと、街乗りノーマル車とは最初から結構違うことが分かります。特にECUとリアサスはレース専用品なので、ナンバー付きの人から見ると「ズルい」装備かもしれませんね。
費用的にもナンバー付き車両を買ってカスタムするより遥かに低コストで済みます。サーキットメインで250の車両を検討しているなら、レースベース車を購入するのが【正解】だと思います。
なお、レースベース車を取り扱うショップは限られています(一般的なドリーム店は不可)。ナンバー付きと違ってメーカーの保証対象外ですし、レースのノウハウが豊富で信頼できるお店を選ぶことは必須の条件です。僕はRSGのお世話になっていて、ここは間違いなく万人にお勧めできるショップです。

CB250RR 慣らし

CBR250RR、初走行はSPA直入で慣らしからスタートです。

 

 

慣らしの手順としては、

  • 最初は6,000回転を上限とする
  • 以降は1枠1,000回転ずつ上げていく
  • 10,000回転まで来たら、それ以上は緩やかに上げてOK
  • 10,000回転+α、走行距離100km程度で慣らし完了

 

6,000回転だと6速でも80km/h付近で、他車と速度差が大きく結構怖かったです。同枠のライダーにはご迷惑をお掛けしました。
8,000回転まで使えるようになると1コーナーからのインフィールド区間でそこそこ楽しめるようになり、10,000回転以降は直線を4速・5速で少し引っ張って加速していけるようになりました。
慣らし終盤は55秒前後で周回。タイヤがGPR300FとかいうOEMタイヤで、ペースを上げようとするとブラインドコーナーやヘアピンでダダダッと跳ねるような挙動が出始めたので、無理せず淡々と走りました。

ちなみに走行後のタイヤはこんな感じ。フロントはアマリングが結構多めに残りました。

 

リア。

空気圧は前後ともランホットで適当に2.1くらいにしときました。

慣らしの仕上げに12,000回転まで回してみると、直線で前方にいた単気筒と思しき250の車両にみるみる追い付いてしまいました。新型CBR250RR、しっかりパワーが出ているようです。

走行後の車両はさっそくRSGに持ち込んで、オイル交換・タイヤ交換をお願いしてきました。次回からいよいよ全開走行解禁です。