CBR250RR SPA直入スポーツ走行 2024.5.11

SPA直入が新路面となって初めての走行です。

 

 

1本目
本日は快晴、少し風はあるものの走行に影響が出るほどではなさそう。朝の気温は20℃。
今回からリアサスの残ストもチェックしていきます。まずは前回、オートポリス走行後の位置。

 

前後サスのセッティングは前回から変えず。
フロント プリロード・・・最弱から10回転締め
リア プリロード・・・初期値(13.5mm)
伸び側・・・最強から6クリック 圧側・・・最強から10.5クリック
このセットでオートポリスのタイムは2分15秒9。

 

タイヤはブリヂストンR11でリア150。HSR九州2本、オートポリス2本、合計2時間使用。
走行前のタイヤ。
リア

 

フロント

空気圧はウォーマーでF2.3、R2.0。走行後(ランホット)F2.2、R1.95。

 

再舗装されたのは2コーナーから最終コーナーまで(それ以外は昨年再舗装済み)。新しい路面はとても滑らかで車両がスーッと前に進んでいく感覚。路面からのインフォメーションが減ったように感じてタイヤのグリップを信じ切れず、恐る恐る走って49秒4。

 

1本目走行後のリアサス残スト。

オートポリスより浅いところで止まっています。

 

 

2本目
1本目では自分の感覚よりマシンが曲がらずラインが大回りしていたので、フロントのプリロードを2回転緩めて最弱から8回転締めに。他は変更せず。

 

気温21.1℃、路面温度45.1℃。

 

空気圧はわずかに下げてウォーマーでF2.2、R1.9。走行後(ランホット)F2.1、R1.9。
フロントのプリロードを緩めたことでマシンがインに向かうようになりました。単独走行であればブレーキでもギリギリ底付きしないので、ハードブレーキングの少ない直入ではこのセットで良さそうです。
走行台数が多くなかなかクリアラップが取れず、タイムは49秒0。リアの残ストは1本目とほとんど変わらず。

 

 

3本目
タイヤの空気圧、サスは2本目から変えず。
気温26.7℃、路面温度44.6℃。

まだいま一つ路面のグリップを信用しきれず50秒~49秒中盤くらいでダラダラ走っていると、同じ年式のCBR250RRを駆るOさんが前に出てくれたので必死に追いかけてこの日のベスト48秒5。昨秋スーパーコルサV3で走った時の自己ベストが48秒4なので、ほぼ同タイムまで戻せました。

 

リアの残スト。

1・2本目より奥に入っています。ペースが上がったことでリアに荷重が掛かるようになったようです。
ちなみにフロントは常にフルストロークしているので写真を取っていません。ただしフルストロークする(ストロークセンサーが一番下まで来ている)ことと底付きするということは若干意味が異なっていて、ストロークセンサーが可動域の一番下まで来ていても、そこから底付きまで少しバッファがあるようです。目で見ただけで判断できない部分があると思います。(底付きするとはっきり挙動が出るので分かりやすいですが)

 

 

タイヤ
BSのR11は本日の走行終了時点で3時間使用。内訳はHSR1時間、AP1時間、直入1時間。スーパーコルサV3(リア150)は2時間使用するとリアのグリップ低下が顕著でしたが、R11は今日の最後までグリップの変化をほとんど感じませんでした。新品時より低下はしているのでしょうが、変化の度合いが緩やかなようです。

 

リア

左サイドのエッジ付近で摩耗が進んでいます。見た目的にもう少し走れそうな気がするものの、次はさすがにズルズルすると思います。

 

フロント

こちらはまだまだイケますね。

 

走行所感
最初は新路面のスムーズさに戸惑いながらも後半は慣れてきました。
気になる点としては、(多くの人が指摘しているように)3コーナー後半に路面の荒れがありフロントがかなり跳ねます。怖いです。
また、新路面になってインつきを外すことが多くなりました。この点が適応できるようになればもう少しペースが上がるかもしれません。

 

 

走行動画

HYODエアバッグ「AIR-BOOST」

大変ご無沙汰しております。ブログを書く時間が取れず更新が止まっていました。
ブログは放置していましたが僕自身バイクの熱が冷めたわけではなく、むしろ熱が高まってきてしまっています。かれこれ30年近くバイクに乗り続けて、そろそろ飽きても良さそうなのに困ったものです。

 

さて、今回はHYODのエアバッグシステム「AIR-BOOST」についてです。

数年前に「近日リリース予定」とのティザーサイトが立ち上がったきり待てど暮らせど続報がありませんでしたが、ついに発売の目途が立ったみたいです。

まずはネットで見つけたこちらの記事をどうぞ。記事の中段くらいにHYODのエアバッグについて記載があります。

 

 

直営店で話を聞く
自分でも詳細を確かめるべく、HYOD福岡店に行ってきました。

お店には既にパンフレットが用意されており、かなり詳細に話を聞くことができました。

発売時期は6月以降の予定。
価格はエアバッグ本体が税込54,890円で、それに加え年額(または月額)の利用料が発生。いわゆるサブスク方式ですね。
ちなみに他社比較では、

  • アルパインスターズ テックエアレース・・・税込198,000円
  • ダイネーゼ D-air・・・ツナギとセットで税込495,000円~

HYODはサブスクの使用料を加味してもかなり廉価で、この価格帯なら導入を検討するライダーも多いのではないでしょうか。

 

 

AIR-BOOST専用のツナギ「Agility」
AIR-BOOSTはHYODの既存のツナギにも対応しているそうです(一部のモデルを除く)。
そしてAIR-BOOSTに合わせた「Agility」という専用モデルが7月以降にリリース予定とのこと。このエアバッグと専用ツナギは既にロードレース全日本選手権において中須賀選手などがプロトタイプを実戦投入しており、Agilityはその市販版になる模様です。店舗には中須賀選手が実際に使用したツナギが展示してありましたが、エアバッグが膨張した際のスペースを確保するためにシャーリングやニット部分が各部に増やされていました。価格は既存モデルより数万円高くなるそうですが、エアバッグと同時にツナギも新調するなら迷うことなくこのモデルを選ぶべきでしょう。

 

 

重量
AIR-BOOST本体の重さは1.5kgと記載してあります。まだ実物を手にしていませんが、この重量なら着用して重さを感じることは少ないと想像しています。
現在、僕はアルパインスターズのテックエアレースをRSタイチのツナギに組み合わせて使用しているのですが、通常のツナギよりも遥かに重くツナギを片手で持ち上げるのが困難なほどです。着用してしまえばそれほど気にならなくなるとはいえ、もう少し軽量で動きやすいエアバッグシステムがあれば…と常に考えていました。AIR-BOOSTとAgilityの組み合わせがその悩みを解決してくれることを期待せずにはいられません。

 

 

エアバッグ作動後のメンテナンス
ダイネーゼやアルパインスターズは転倒してエアバッグが作動した場合、一旦お店に預けて再度使用できるようメンテナンス(ボンベの交換など)を受ける必要があります。しかしAIR-BOOSTはライダー自身がその場でインフレーター(ボンベ)を交換出来るシステムで、予備のインフレーターも販売されるとのこと。エアバッグ作動後に使用できない空白期間が生じないというのも大きなメリットに感じます。

 

 

ストリートで使用できる
AIR-BOOSTはツナギだけでなく、ツーリング時の一般的なジャケットの下に着用することも出来るそうです。このような安全装備はサーキットはもとより、公道にこそ求められると思います。比較的安価で軽量という特徴は、ツーリングライダーにも強く訴求する部分ではないでしょうか。

 

 

購入を検討中
というわけで僕は専用のツナギとセットで購入を考えています。もともと最初に購入したツナギがHYODということもあり、このメーカーには馴染みがあります。九州には直営店があってアフターサービスも含め安心して使える点も大きなポイントです。
今後の続報を待ちたいと思います。

 

 

他社製は?
ちなみに僕はエアバッグ歴が結構長く、ヒットエアーの有線式を使い始めたのが2013年。それから10年の間に延べ3社の製品を使ってきました。自称エアバッグマニアを名乗っても良いレベルです。
以下、これまで使用したエアバッグについて簡単にまとめておきます。

 

 

ヒットエアー RS-1
ワイヤーで車体と繋ぎ、転倒してライダーが車体から離れるとワイヤーが引っ張られてエアバッグが作動します。他の無線式エアバッグと比べ安価で導入しやすい点がメリットですが、ツナギの上に着用するので見た目がちょっと残念、走行のたびにワイヤーの付け外しが煩わしい(ルマン式スタートだと確実に遅れを取る)というデメリットがあります。

 

 

アルパインスターズ テックエアレース
現在使用中のエアバッグ。対応するツナギに装着して使用します。僕はRSタイチのツナギを選びました。ヒットエアーと違いエアバッグ本体がツナギの内側に収まり、ワイヤーもないので外見は通常のツナギと変わりません。内蔵されたセンサーが転倒を検知すると自動的にエアバッグが作動する仕組みです。センサーはバッテリー式で定期的な充電が必要。

見た目がスマートで、エアバッグの保護範囲がヒットエアーより広く安全性が高い点がメリット。一方、専用のツナギと合わせて約40万円と高価で、非常に重く通気性が悪いため特に夏場の着用が厳しい点がデメリットです。

 

 

ダイネーゼ D-air
ダイネーゼは専用のツナギと一体化されています。ワイヤーがなく内蔵センサーで転倒を検知する仕組みはアルパインスターズと同様。
今のところ僕が唯一作動させたことのあるエアバッグです。オートポリスのターン17(最終手前の右コーナー)進入でフロントからのスリップダウンでした。そこそこ速度が乗っているコーナー(ボトムで100km/h前後)ではありますが、手首の打ち身くらいで大きな怪我をせずに済んだのはエアバッグの効果も確実にあったと思います。

ダイネーゼの欠点は高価であることと、ツナギが基本的に既成サイズ(吊るし)で購入するしかない点です。サイズオーダーも出来るようですがかなり高額になってしまうので、ちょっと現実的ではないと感じます。
僕はダイネーゼの直営店でタイトフィットを推奨されて、促されるまま小さめのサイズを選んだところバイクの上で体が動かしづらくなってしまいました。しばらく我慢して使っていたものの結局着用を断念した経緯があります。これは僕の体型が既成サイズに合わない部分があることも原因で、サイズオーダーしなかったことが失敗でした。
ダイネーゼに関しては自分の体型が既成サイズに合うこと、そして店舗が推奨するタイトフィットを装着しても体の動きが阻害されないことを十分に確認したうえで購入した方が良いと思います。
ツナギそのものは使い始めから革が柔らかく、各部ジッパーの動きも良いなど品質の高さを感じました。サイズ感さえ合えば所有欲も満たしてくれること請け合いです。

向き変えの具体例

「向き変え」は今の自分にとって最重要テーマなので、画像を使って具体例を示しながら考えていきたいと思います。
場所はオートポリス、最終手前の右コーナーです。

 

 

画像①

走行動画から、このコーナーで最も速度が落ちた時点を切り取りました。画面右下に表示されているのはGPS計測による速度で、このラップでは104km/h。

 

画像②

画像①の続きでコーナーのクリッピングポイントに到達したところです。イン側に見えるゼブラの切れ目付近がクリッピングポイントです。この時、右下の速度は106km/h。画面中央下、メーターに表示されるバンク角は49°です。まだバンク角が深く加速の態勢に入っていません。

 

画像③

さて、画像③は上記①②と別のラップです。場所は同じコーナーで①と同様に最も速度が落ちた時点。この時のボトムスピードは96km/hで、①の時より8km/h低くなっています。

 

画像④

③の続きでクリップに到達したところです。画像②と全く同じ場所ですが、見比べるとラインが②よりイン側を通っています。さらにメーターのバンク角を見ると43°で、既にマシンを起こし始めて加速の態勢に移行していることを示しています。この時の速度は115km/h。②と比べると9km/h高くなっています。
一見すると②と④は同じような画像に思えますが、この瞬間におけるマシンの状態及びライダーが行なっている操作は全く異なっています。端的に言えば②はまだ向きが変わっておらず、④は既に向き変えを終えている状態です。

 

 

区間タイム
画像①②と画像③④でこのコーナーの区間タイムを見ると、①②はボトムスピードが高いぶんコーナー中盤で速い瞬間がありますが、③④はボトムで向きが変わるため中盤以降マシンを起こしながらグイグイと加速していき、クリッピングポイント到達時点で①②と③④はほぼ同タイム、そしてクリップ以降の立ち上がりは③④が明らかに速いという結果でした。

二つのラップは全く同じコンディション(同日の同じ走行枠)であり、両者の違いはただ一つ、「コーナーで向きが変わるまでアクセルを開けずに待てるかどうか」それだけです。

 

 

速度グラフ
両者の違いをグラフで見てみましょう。

ちょっと判りづらいですが水色の線が速度グラフ。薄い水色が①②、濃い水色が③④のラップです。
①②はボトムスピードが高く向きが変わらないため、いつまでもダラダラと加速できず逆台形の速度グラフとなっています。一方で③④は一旦速度を落とし切ってボトムからすぐに加速に移行しています。その結果コーナーの出口では両者に埋めがたい速度差が生じているのです。
同じバイクなのに上手い人が乗ると立ち上がりで(まるでエンジンパワーが違うかのように)グングン加速して差がつく、という現象を誰しも経験したことがあると思います。上のグラフはその理由を示しています。(本当に速い人のグラフはもっと顕著に特徴が現れるはず)
繰り返しになりますが、この違いを生み出しているのはただ一つ、コーナーで待てるかどうかだけです。難しいテクニックなどどこにもありません。

 

僕の場合、コーナーに進入したらすぐにアクセルをわずかに開け直す癖が昔からあります。少しでも速度をロスしたくないという心理から来ていると思いますが、それが上記の逆台形グラフを作る原因となっています。
今回は最終手前の右コーナーを例に挙げましたが、特定のコーナーに限らずほとんどのコーナー(オートポリスに限らず)で当てはまる内容ですから、この点を改善することが今の最優先課題です。

 

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