250ccでSPA直入を走る

半年ぶりにSPA直入にやってきました。

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今回はトライアンフ仲間のIさんからお借りしたYZF-R25で走ります。このバイクでSPA直入を走るのは2回目。前回は2年前で、その時の記事はこちらです。

 

この車両、見たところノーマルからの変更点は以下の通り。

  • レースカウル
  • スリップオンマフラー
  • バックステップ

外装を除けば限りなくノーマルに近い車両です。

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タイヤはなんと新品、しかも舶来品の高性能タイヤです。お借りする身のワタクシなんぞが走ってしまっていいのでしょうか…。
 

 

 

サスペンション調整
2年前はサスの調整を一切行わず走ったところ、リアが沈み込んでバンク角が不足。ステップをガリガリ削りながら走っていました。今回はその反省を踏まえリアサスのプリロードを調整します。

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調整方法は純正サスにありがちなフックレンチでガッチャンと回すタイプです。少し奥まったところにあるので、車体左側のステッププレートとチェーンカバーを外すと作業しやすいです。どちらも六角レンチで簡単に取り外せます。
お借りした時の状態では、最弱から2段締め込んだところにセットしてありました。恐らくこれが標準値(工場出荷状態)でしょう。ひとまずそこから2段分締め込みました。
なお、フロントフォークはプリロードも含め調整機構は一切ありません。

 

 

 

タンクパッド(滑り止め)貼り付け
これも前回走行した時に感じたのですが、タンク周り、太ももの辺りがつるつるしていて全然ホールドできません。自宅に安物の汎用タンクパッドが眠っていたので貼り付けてみました。

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1本目
まずは体慣らしの1本目。乗り慣れているデイトナ675Rと比べると車体の挙動がものすごく軽快、言い換えると頼りなく不安定に感じます。
軽量な車体でコーナーリングスピードは速く、それでいて675Rのような剛性感がないから慣れないと結構怖いです。恐る恐る走って、まずは54秒台。
リアサスのプリロードを締め込んだおかげで以前のようにステップが接地することはなくなりました。ただしブーツの爪先は頻繁に擦ってしまいます。

 

 

 

2本目
続く2本目ではリアサスのプリロードをさらに1段締め込みます。最強から1段だけゆるめた位置になりました。これでリアは余計な動きが抑えられ、バイクとの一体感が生まれ走りやすくなりました。しかしリアが落ち着いた分、調整できないフロントの動きが気になり始めます。
マシンに少し慣れてきたところで、とりあえず勢いをつけてペースアップ、53秒中盤。

 

 

 

3本目
いつもの675Rと同じ走り方をしていてもこれ以上タイムは良くなりそうにないので、R25なりのライディングを考えます。このマシンで2本走って感じたのは、漫然と走っているとフロントの荷重が不足しがちであること。フニャフニャなノーマルフォークやハンドル位置が高く上体が起きやすいライディングポジションにも原因があるとは思いますが、何も考えなくても勝手にフロント荷重が掛かる600クラスのSSと違い、ライダーの操作で補う必要がありそうです。
具体的には、

  • 1コーナーはブレーキをしっとりと残してフロントを沈めながら寝かし込む
  • 2コーナー以降はアクセルオフのエンブレでフロントフォークが沈むのを感じ取りながら寝かし込む
  • いずれのコーナーでも、進入で一度沈んだフロントフォークを戻さない(フロントの荷重を抜かず沈め続ける)イメージで
  • 上半身はコーナーリング中もできるだけ低くイン側に伏せて、体の重心が後ろに行かないよう心掛ける

こんな感じです。
特に1コーナーは、やみくもに奥まで突っ込んでガツンと握るブレーキではサスの動きをコントロールする繊細な操作ができませんから、少し手前から余裕を残したブレーキに徹します。すると一次旋回に安定感が出てきて、段々と気持ちよく曲がるようになってきました。アベレージは53秒台ながらポツポツと52秒台に入り始め、この日のベストは52秒8でした。

 

なお、このような走り方は下記のブログを参考にしました。

僕よりもずっと速いライダーが詳しく説明してあります。勉強になります。

 

 

 

課題、気になる点 
プリロード調整ができるリアはともかく、フロントがとにかく動きすぎるのでもう少しシッカリ感が欲しいところ。それとフロント荷重を意識して前傾姿勢を深めると、高い位置にあるハンドルがどうしても邪魔で不自然なフォームになってしまいます。ハンドルに余計な力が加わってしまい、コーナーリング中に意図せずハンドルをコジるような動きをしてしまうことがありました。フロントフォークとハンドル周りは改善したいところです。
ライディングに関しては体に染みついた675Rの走り方が抜けきりません。R25なりのライン取りや走りの組み立てができるようになれば、まだまだタイムが伸びる余地はあると思います。

 

 

 

YZF-R25の感想
良くも悪くも車体の挙動がハッキリ伝わってくるし、乗り方・走り方を変えた際の変化も感じ取りやすいです。デイトナ675のようなミドル~リッターSSとなると車体の剛性が高くマシンの性能がライダーの能力を上回っているので、僕のようなシロウトがいくら工夫して乗り方を変えてみても結果が変わらないことが往々にしてあるのですが、R25はライディングの変化に敏感に反応してくれます。
取り組んだことに対してフィードバックが明確にあるというのはスキルを磨くうえで重要で、このようなマシンで走り込んだ方が効率的に上達できるように思いますし、そこで得た基本的なスキルは大きな車両に乗り換えても生かせるに違いありません。


体力・筋力の要求度が低いこともポイントです。SPA直入で1枠の走行時間である20分間を675Rで走り続けると息が上がってヘトヘトになりますが、R25ならまだ余裕があります。バテないからより多くの周回をこなすことができ、1日の練習量を増やすことができます。しかもタイヤをはじめ各パーツの費用も比較的安価です。


直線の短いSPA直入は250と600~1,000クラスのタイム差は小さいし、ライディングの楽しさ、コーナーリングの充実感はどのバイクも同じです。250ccだから遅いということはないし、つまらないということもありません。
このように考えると、R25でもっと練習を積むべきではないかと思えてきました。借り物のバイクなんですけど…。

 

 

 

新セーフティカー
余談ながら、SPA直入のセーフティカーが新しくなっていました。カッコよし!

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HSR九州 スポーツ走行 2019.11.4

冷却水漏れが起きてショップに預けていたデイトナ675R。修理は無事に完了し、HSR九州を走ることにしました。文化の日の振替休日、11/4(月)は快晴でした。

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予習
今回は走行前にこちらの動画を見て予習します。


鈴鹿8耐 ライダーのライテクがエグい!練習に密着!手元カメラ映像アリ 中級者向けライテク

 

全日本ST600で優勝経験のある(&鈴鹿8耐SSTクラス優勝ライダー)岡村選手の走行シーンがあり、物凄く参考になります。
特にライン取り。僕の場合非常に低レベルな話で、どういうラインを通るかという以前にそもそもコース幅を有効に使えていないことが、岡村選手の走りと自分の動画を見比べて痛感しました。僕の走りはコーナーへのアプローチで目一杯アウトまで寄れていないし、クリッピングでインに付けない。極端に言えばコース幅の半分くらいしか使わずに走っているようなものです。動画の中で岡村選手が言っていますが、今までより1mアウトに寄る・インに付くことで車速が上がり、結果タイムが縮まる。速く走るというのは、そうした少しずつの積み重ね以外にありません。
とはいえ、ゆっくり走ればコース幅ギリギリを通ることができても、ペースを上げていくと乗り手の操作に余裕がなくなるわけで、その状態で狙ったラインを正確に通るのは簡単なことではありません。ストレートエンドでフルブレーキ、リアの接地感は失われウネウネと挙動が乱れる中、アウトに目一杯寄ってもし何かの弾みでコースをはみ出してしまったらどうしよう。そんな恐怖感からついマージンを取って内側を走ってしまいます。正確なライン取りというのは、余裕の少ない状況とスピード感の中で針の穴に糸を通すようなスキルが求められるということで、誰もが一朝一夕に出来るものではありません。


余談ながら、先日のMFJグランプリでは秋吉選手のコスモを感じる走りが話題を呼んでいました。ヤマハファクトリー2台を従えて物凄いラインを通っています。宇宙人と呼ばれるゆえんですね。(ゼッケン090、オレンジ色のマシン) 

 

こんな走りは無理だとしても、今回はコース幅をいっぱい使うライン取りの基本に取り組むほか、岡村選手の走りを参考に最終コーナーやバックストレートに繋がる高速コーナーの走り方を工夫してみることにしました。

 

 

 

マシンチェック、練習走行
まずはマシンチェックを兼ねてS3枠を走ります。走行前の暖機を念入りに行い、クーラント漏れがないことを確認。走行を開始し、1周したらピットインして車体をチェック。クーラント漏れはありません。次にS3枠に合わせて1分20秒くらいのペースで数周走り再度ピットイン&車体チェック。マシンに異常なし。これだけ確認して問題なければ、もう大丈夫。

 

2本目からはS1枠に移動して、速い人たちに揉まれながら走ります。ところが、先月の走行で(自分の漏らしたクーラントに乗って)リアが滑った感覚を身体がまだ覚えており、深くバンクさせようとするとお尻がムズムズします。それに、どうも体の動きが重くてイメージ通りの操作ができません。倒し込み・切り返しの動作がワンテンポ遅れたり、酷い時はステップから足を踏み外したり…。最近忙しくて、日頃の疲れが溜まっているのかもしれません。走り込むうちに身体がほぐれてきて動けるようにはなってきましたが、結局アベレージで11秒台、10秒に入ったのは1ラップだけでした。
前回の記事でアップした動画は、この日唯一の10秒台です。

 

 

 

課題
コース幅を一杯使ったライン取りは、意識して走った分今までよりマシにはなりましたが、まだまだ全然甘いです。これは今後も継続して練習しないといけません。
それと、他のライダーと比べて2ヘア後のS字区間が特に遅い。

  • 体の使い方が悪く、切り返しが遅い。狙ったラインを通れていない。
  • そもそもどのラインが正しいか分かっていない。
  • どこで加速し、どこを我慢するか分かっていない。2ヘアの立ち上がりで一旦加速するものの、勢い余って次の右→左が遅れる。結果、その後の直線に繋がる加速のタイミングが遅れている。

ここが遅いことはハッキリしているのですが、どうしたら改善できるかがよく分かりません。ワンパターンに陥らずいろんな走り方を試さなければ。

 

最終コーナーも課題です。ここは右・右と続く複合コーナーで、今回は1つ目の右はインにつかず、奥の右でクリッピングをしっかり取って加速に繋げるラインを意識しました。この走り方で良さそうなのですが、1つ目の進入速度をもう少し上げて(減速し過ぎないで)一旦アウトに膨らみ、奥で向き変えができればより脱出速度を上げられるのではと考えています。

 

他にも1・2コーナーや高速コーナーに課題があって、まだまだ遅い箇所だらけ。自分の遅さ、スキルの未熟さを実感しています。それは同時に、ライディングの奥深さを実感することでもあり、こうしてブログに綴るのが楽しくて仕方がありません。
課題が見つかるとバイクは一層楽しくなりますね。

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RaceChrono

2020/10/29更新
関連記事・リンクを追記しました。

 

2020/10/15更新
アプリが公式に推奨するGPSロガーを更新しました。

 

スマホアプリ「RaceChrono」について説明します。
このアプリはラップタイマー機能のほか、走行動画にタイムや速度など様々な情報を載せることができます。百聞は一見に如かず、ということで実際の動画をご覧ください。


 

このアプリを導入するにあたり、下記のブログを参考にしました。

 

 

 

RaceChronoとは?

  • スマホ(iPhone/Android)用のアプリ
  • GPSロガーをスマホに接続して、走行ログを解析・表示できる。ラップタイム、区間タイム、タラレバベスト、速度、走行ラインなど。
  • スマホの画面にラップタイムが表示されるので、GPSラップタイマーとして使用できる。
  • GoProなどで録画した走行動画にGPSログを埋め込むことができる。ラップタイム、速度、バンク角、ベストラップと比較した速度差など。
  • Androidは無料版/有料版があり、iPhoneは有料版のみ。無料版でも大半の機能が使える。
  • 有料版はGoProと連携し、動画とGPSログの同期を自動で行う。面倒な動画の位置合わせが不要。

 

 

 

上記のような動画を撮るために必要な物

  • スマートフォン(RaceChronoをインストール)
  • GPSロガー
  • アクションカメラ

 

 

 

スマートフォンについて
iPhone、アンドロイドどちらでも可。転倒時の破損を考えると普段使っている端末は避けた方が無難です。使わなくなった古いスマホや中古品で十分。
通信機能としてSIMは不要。Wi-FiとBluetoothは必須。自宅等のWi-FiでRaceChronoアプリのインストールとアップデートを行い、BluetoothはGPSロガーとの無線接続で使用します。
中古スマホで良いのですが、あまりに古いとスマホのOSがアプリに対応していない場合があるので、システム要件を確認しておく必要があります。
またGoProと連携する場合、GoProアプリのインストールも必要になりますが、こちらは比較的新しいOSが求められるようです。あわせて確認しておきます。
アンドロイドの場合、要件は以下の通りです(2020年10月時点)。

  • RaceChrono・・・Android 4.4 以降
  • GoPro・・・Android 7.0 以降

ちなみに僕は「ASUS Zenfone Live (L1)」というスマホを買いました。

ASUS Zenfone Live (L1) ミッドナイトブラック 【日本正規代理店品】 ZA550KL-BK32/A

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GPSロガーについて
GPSロガーはスマホと接続するので、Bluetooth機能を備えた物に限られます。RaceChronoが公式に推奨するロガーは以下の通りです。

  • Qstarz BL-1000GT(iPhone、アンドロイドとも最も推奨)
  • Garmin GLO 及び GLO2(アンドロイドに推奨)
  • Dual XGPS160(iPhoneに推奨)

ちなみに僕は以前からLAP+用に使用している747pro(既に販売終了)を試したところ、問題なく使えました。

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また、スマホ内蔵のGPS機能でログを取得することも出来ないことはありませんが、データの精度を欠くため使い物にならないようです。

 

 

 

アクションカメラ
動画撮影のアクションカメラは、どのような機種でもアプリは対応しているようです。GoProのみRaceChronoアプリ(ただし有料版)内で操作が行えて、GPSロガーのデータと自動的に同期してくれます。この機能がすごく便利です。
ちなみに僕はGoPro7 Silverを使用しています。

 

デイトナ675Rのトップブリッジ周りの写真です。

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ステムホールに刺さってる丸い物体はGoPro用のマウントステーです。左ハンドル側にAim SOLO(GPSラップタイマー)。ここにRaceChronoを入れたスマホを置き換えようか思案中です。現時点では、スマホとGPSロガーはシートカウル後方に貼り付けています。それとリザーバータンクに巻いてあるのは交通安全のお守りです。安全第一。

 

 

 

改善点
大変優秀なアプリなのですが一つだけ難点を挙げると、動画の処理を全てスマホ上で行うので途方もなく時間が掛かるということです。パソコン上でもアプリを立ち上げて処理できるようになると、至極快適になると思うのですが…。

 

 

 

まとめ
アンドロイドの無料版なら手持ちのスマホと1万円台のGPSロガーさえ入手すれば、ラップタイマー&ログ解析ソフトとして、QSTARZやAim SOLOなどのGPSラップタイマーやデジスパイスよりも遥かに低いイニシャルコストで運用を始めることができます。
さらに有料版でGoProと連携させれば、比較的お手軽に上記のような動画が作れるし(無料版でも可能)、この手の数あるアプリ・デバイスの中でも完成度は高いのではないでしょうか。

 

 

関連記事・リンク
RaceChronoに関する記事です。

 

RaceChronoアプリへのリンクです。
Android無料版

  

Android有料版

  

iPhone用(有料版のみ)

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