S1000RR vs デイトナ675R

RaceChronoによるHSR九州の走行ログを用いて、S1000RRとデイトナ675Rの走りを比較します。

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最高速
まず各区間の最高速及び最低速度を見てみましょう。

S1000RRのベストラップ(RaceChrono上で1'10.58)
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デイトナ675Rで近いタイムのラップ(1'10.67)
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両者を比較して、大きく異なるのは直線の最高速。
ホームストレートで、
 ◆ S1000RR・・・199km/h
 ◆ 675R・・・185km/h

バックストレートで、
 ◆ S1000RR・・・218km/h
 ◆ 675R・・・207km/h

最終コーナー手前で、
 ◆ S1000RR・・・189km/h
 ◆ 675R・・・178km/h

いずれもS1000RRのほうが10km/h以上速いです。
一方で各コーナーのボトムスピードは両者ほぼ同じ数字。

 

 

区間タイム
続いて区間タイムを比較します。

S1000RR。青表示が1'10.58のラップ。
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デイトナ675R。青表示が1'10.67のラップ。
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セクター1(5コーナーまで)
 ◆ S1000RR・・・25.26秒
 ◆ 675R・・・25.29秒

セクター2(バックストレートエンドまで)
 ◆ S1000RR・・・18.83秒
 ◆ 675R・・・18.69秒

セクター3(最終コーナー手前まで)
 ◆ S1000RR・・・15.15秒
 ◆ 675R・・・15.28秒

セクター4(コントロールラインまで)
 ◆ S1000RR・・・11.35秒
 ◆ 675R・・・11.40秒

どこか特定の区間でタイム差が生じる(例えばバックストレートを含むセクター2はS1000RRが速い)という予想に反して、どこを切り取っても2台のタイムは僅差でした。

 

 

2台の違い
HSRの短い直線でもミドルとリッタークラスのパワー差は歴然と表れ、最高速に明確な差が出ました。一方で各コーナーの最低速度に差はなく、コーナーリングスピードは互角と見ることができます。そして区間タイムはどのセクターもほぼ同一でした。
これらのデータから走行時の感覚を踏まえて推測すると、S1000RRはコーナー立ち上がりの加速でタイムを稼ぎ(速い)、デイトナ675Rはストレートエンドのブレーキとコーナーの進入部分でタイムを稼いでいる、そしてコーナーリングは互角。その結果いずれのセクターも両者拮抗するタイムになった…ということだと思います。

 

 

S1000RRの伸びしろ
ただしS1000RRの走行は高温下の厳しいコンディションだった点を考慮する必要があります。タイヤがグリップしていなかったし、僕自身のライディングも納得のいく内容ではありませんでした。コンディションが良ければコーナーへのアプローチで675Rと遜色のない走りができる感触はあり、その場合直線の伸びの分だけ675Rより良いタイムが出るように思います。675Rのベストラップが1分9秒9だったので、S1000RRなら1分9秒中盤~前半くらいのタイムは出るのではないでしょうか。

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僕は今まで、リッターSSはパワーがある代わりに重い・止まらない・曲がらないものだという先入観がありました。ところが実際にS1000RRに乗ると、寝かし込み・切り返しは675Rよりむしろ軽快に感じるほどで、ブレーキも強力、コーナーリングは深いバンク角で安定して曲がれることが分かりました。いわばミドルSSの上位互換と言うべきマシンで、趣味レベルでゆるくサーキットを走る分にはミドルクラスの走り方+強力な加速力への対応(慣れ)でポンと良いタイムが出てしまいます。このマシン性能は正直ズルいと言うほかありません。

 

 

九州選手権 ST600とST1000のタイム
下記リンクはHSR九州で開催された九州選手権のリザルトです。

各ライダーのベストラップはST600、ST1000ともに1分5秒~1分8秒台が中心。選手権レベルになるとミドルとリッターでタイム差はあまりないようです。僕のようなゆるふわ層には次元が違う話ですが参考までに。