HSR九州 RSGスクール 2021.8.28

いつものことながらHSR九州はスポーツ走行の枠が極端に少なく、なかなか走る機会に恵まれません。今回はRSGスクールに"走行のみ"で参加させてもらい、久しぶりにこのコースを走ることができました。

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S1000RRでHSR九州を走るのは3回目。前回はエンジンのナラシを終えた直後でまだマシンに全然慣れておらず、全開走行には程遠い内容でした。その時のベストタイムは1分13秒9。

今回の目標タイム(ノルマ)は1分10秒台。あわよくば9秒台に入れられたら…といったところです。

 

 

とにかく暑い
お盆に梅雨前線が復活して大雨を降らせ、このまま秋に向かうのかと思いきや、前線が去ると再び猛烈な暑さがぶり返してきました。トランポに置いた温度計は35℃を示しています。汗だくになってツナギを着るだけで体力を消耗していきます。

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この日の走行は気温・路温が上昇しきった午後からの走行。事前のブリーフィングで、路面温度はおそらく60℃超えでタイヤはまともにグリップしないでしょうとの忠告…。果たしてまともに走れるのでしょうか。

 

 

よく滑る
最初に完熟走行を兼ねた2周の先導走行があり、一旦ピットインを経てフリー走行へ。完熟走行の時点で早くも足が攣りはじめました。日々のランニングのおかげで普段のスポーツ走行では目いっぱい走り込んでも足が攣ることなどなかったのですが、まだ全力で走る前から早くも体に異変が生じます。

フリー走行となってアクセルを大きく開けてみると、とにかくリアタイヤがズルズル・ヌルヌルと動きまくってグリップしてくれません。特に顕著なのが4・5コーナー(高速S字)とバックストレートへの立ち上がり。

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4・5コーナーはデイトナ675Rで走っている時はカチッとアクセルを全開にするのがお約束で、全開にしたまま左の5コーナーで膝を擦るという独特な区間でした。S1000RRはこれと同じ感覚で走ろうとすると途端にリアがズルズルと滑りだして全然開け切れません。

バックストレートへの立ち上がりも奥のクリップから大きく開けていくとリアがニュルニュルニュル…。以前純正リアサスの時に立ち上がりでリアが暴れていましたが、それとは異なる挙動でタイヤが左右に動いてしまっている様子が伝わってきます。やはり高すぎる路面温度のせいでグリップがかなり落ちているようです。

10分も走行を続けていると体力の消耗を感じ、意識に薄い膜が掛かったように感覚がクリアでなく集中力が保てません。集中できないからブレーキの精度が甘くかなり手前から減速せざるを得ません。それでも歯を食いしばって一生懸命走ったものの、タイムを見ると1分12秒に入るのがやっとという有り様。これではノルマの10秒台は到底無理だろ…と意気消沈です。ピットに戻ってメーターを見ると最大バンク角が52~53°で、マシンもあまり寝ていないようです。

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水中遊泳
40分のインターバルで息を整えて次の走行に臨みます。リアタイヤがあまりにもグリップしないのでDTCは-4 → -2に変更。トラコンを効かせる方向です。
4・5コーナーは、そもそもリッタークラスで全開にするのは無理があるかも知れないと思い直し、リアの感触と相談しながらアクセル開度を試行錯誤しました。
バックストレートの立ち上がりも相変わらずグリップしないので、できるだけマシンを起こしてから開けるよう意識します。それでもタイヤはニュルニュル動くのですが、破綻するようなフィーリングではないのでそのまま大きく開けていけます。

それにしても走るほどに意識がダルになってくるしタイヤも絶えずヌルヌルしてるので、快晴のドライコンディションなのにまるで水中を走っているような不思議な感覚に陥りました。

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タイム
2本目は最終的に1分10秒台に入り、本日の目標タイムに届きました。むしろこの過酷な条件でよく10秒が出たなという感想です。

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トラコン仕事してる?
2本目でDTCの効き目を強めても相変わらずタイヤのズルズルは収まりません。特に4・5コーナーは開けすぎるとリアが外側に振り出して、そのままブレークしそうな感触もありました。あれ?トラコン助けてくれないの?という感じです。
今回は路温が高すぎる特殊な状況だったこともあるでしょうが、やはりトラコンに過信は禁物、どこまで信用するかのさじ加減が悩ましいです。

 

 

GoPro不具合
いわゆる熱暴走という現象なのか、走行した2本とも撮影開始後数分で電源が落ちていました。走行動画は自分の走りを分析するために大切なツールで、記録が残っていないのは残念でした。

 

 

ストンプグリップが剥がれる
走行後に車体を確認するとストンプグリップの一部が剥がれかけていました。

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走っている間、右膝に何かがビラビラ当たっているな~と思っていたのですが、これが原因でした。これも暑さで粘着力が落ちたようです。

 

 

暑さに負けた
思うように体が動かないし、ぼーっとして集中できないし、タイヤもグリップしない、GoProも作動しない、ストンプグリップは剥がれてしまう…と何もかもうまく行かず、走行後は敗北感に打ちひしがれていました。しかしこれら全ては暑さに起因する症状であって、何に負けたかと言えば要するに暑さにやられただけだ、と思うことにします。アラフィフに差し掛かった貧弱な肉体と乏しいスキルでは、この過酷なコンディションに打ち克つことなど土台不可能なのです。
趣味を長く続けるには言い訳と諦めが肝心です。