ツナギ探訪の旅

革ツナギを新調しようと検討を始めて2か月余り、悩みに悩んでいます。
次期ツナギの条件はエアバッグ内蔵であること。安全性を考えると外せない装備です。複数のメーカーからリリースされているなか、最終候補としてRSタイチとダイネーゼの二つに絞りました。

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RSタイチ:GP-MAX R103(T-RAPS)

 



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ダイネーゼ:D-AIR® RACING MISANO ESTIVA


どちらも高価ですが同じ価格帯。あとは試着して最終的な判断をすることにしました。

 

 

 

RSタイチ
RSタイチの直営店は九州になく、大阪(もしくは京都)まで足を運ぶ必要があります。先日、関西に出張する機会があり、仕事の合間を利用して大阪の本店まで行ってきました。

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RC213V-Sが鎮座。

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直営店だけあって店頭在庫のサイズは豊富、バイクを模したフィッティングマシンを使って実際のライディング姿勢を取りながら細かな採寸が行われます。僕の体形は身長174cm、体重70kg。標準体型よりお尻が大きく下半身ががっちりした体形のため、L-Wideというサイズを選びました。これで概ね問題ありませんが、タンクに体を伏せる姿勢を取ると背中側が引っ張られる感覚があり、肩・首回りが圧迫されます。このため背中側の座高を3cm伸ばすサイズ加工を勧められました。また両腕のサイズは余裕がありツナギがダブつくので、こちらは若干詰めた方が良いとのこと。既製サイズをベースに部分的な加工を行うことで、細部まで自分の体形にマッチしたツナギに仕上げることができます。
ちなみに、今まで使用しているHYODのツナギはサイズがL/Wで、背中側の座高を3cm伸ばす加工をしています。つまり今回のRSタイチとはほぼ同サイズ、同様の修正です。試着した感想としては、RSタイチとHYODのサイズ感はほぼ同じ、ただしHYODは少しスリム・タイトフィットな造りなのでRSタイチのほうがゆったり感があります。良く言えば違和感がなく、悪く言えば新鮮味に欠けます。
店員さんの話からRSタイチのツナギに対する姿勢をうかがい知ることができました。体にフィットさせることで安全性を高めるというのが基本にはありますが、過度なタイトフィットは推奨しない、むしろライダーの身体が動きやすいこと、長時間のライディングで動きづらさや圧迫感から体力を消耗することのないように乗り手の好みに応じて適度な緩さを許容する考えがあるようです。鈴鹿8耐のライダーを多数サポートするメーカーならではの理念だと感じました。

 

 

 

ダイネーゼ
続いてダイネーゼです。こちらは九州に直営店があります。

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僕の体形から“46”というサイズを勧められ試着。案の定、一人では着ることも脱ぐこともできません。汗だくになりながら装着すると、真っすぐに直立できず前かがみの姿勢になります。これはタイトフィットかつライディング時の前傾姿勢を前提に裁断されているためで、ここから前屈してライディングの姿勢を取ると確かにしっくりきますし、直立時に感じた圧迫感もありません。着用さえできればライディングに支障はなさそうです。
とはいえ全体的にキッチキチで余裕がありません。付属の脊椎パッドは装着したものの、チェストパッドを装着する余地はなさそうです。
店員さんはこの46サイズが適正だと言い張るのですが、試しに1サイズ上げて48サイズも試着、今度はチェストパッドも装着しました。すると、やはり一人で脱ぎ着できずタイトであることに変わりはありませんが、少しだけ余裕が生まれました。これなら許容範囲かも…と思えるレベルです。余裕と言ってもルーズな感じは一切ありません。ダイネーゼはサイズを大きくして革にダブつきがあると、走行中にエアバッグのセンサーがズレて誤作動の恐れがあるそうですが、店員さんもこれぐらいなら問題ないとのことでした。

 

 

 

比較
RSタイチとダイネーゼ、両者の装着感は大きく異なるものでした。ひたすらタイトフィットを追求するダイネーゼと、ある程度の緩さを許容するRSタイチ。長年使用してきたHYODから着替えた場合、RSタイチはほぼ違和感なくライディングへの影響は無さそうです。一方でダイネーゼのフィット感はタイトながらも、そこには文字通り包まれるような強い安心感がありました。この感覚は他のツナギでは得難いものです。しかもエアバッグのシステムは国内メーカーとは一線を画し、最高峰の安全性を備えています。

 

うーん、試着したらますます悩んでしまう…。