10秒の壁

どうしても、
どうしても、
どーーーし・て・も、10秒が切れない!

HSR九州のことです。
デイトナ675Rの集大成としてこのトラックで1分10秒を切ることを目標にしているのですが、10秒中盤~前半までは何とか辿り着くことができても、そこから先にはどうやっても届きません。

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3周抜粋の走行動画です。今まで上げた動画と変わり映えしません、自分チェック用です。

0:00~ 1周目 1分10秒59
1:15~ 2周目 1分10秒85
2:25~ 3周目 1分10秒38

この時は10秒台で周回していますが、別の時間の走行では同じように走っているつもりなのに12秒で頭打ちになったりしていて、一番の問題はタイムのバラツキが大きいことだと感じています。まずは安定して10秒台を出せるようにならないと、その先なんて到底無理…。

 

 

 

高いレベルを目指す?
RSGのスクールで代表の皆木さんと話をする機会があったのですが、曰く10秒を切る走りとなるとブレーキの掛け方を変えていく必要が出てくるとのこと。僕の走りは基本に忠実にブレーキは車体を直立させて掛け、減速を終えてから寝かせ始めるもの。減速とコーナーリングはそれぞれ別パートという感覚です。これが7~8秒のライダーだと、例えば最終コーナーでは車体を少し傾けながら斜めのラインで進入し、1個目の右の奥でブレーキをリリースして一気に向きを変え、V字ラインのイメージで立ち上がるのだそう。減速から車体姿勢を作るブレーキング、そしてコーナーリングまでが継ぎ目のない一連の動作となっている感覚でしょうか。
確かに選手権ライダーと一緒に走っていると、最終コーナーのブレーキ掛け始めのポイントが僕よりもずっと奥で、コーナーの半ば(1個目と2個目の中間)で一旦追い付き(速い人の方が僕よりボトムスピードが低い)、直後の立ち上がりで一気に離されます。
頭の中ではイメージできるものの実際にそれが出来るようになるには相当な練習量が必要だし、かなりレベルの高いお話に感じました。しかしそのエッセンスを少しでも自分の走りに取り入れられたら、また違う世界が開けてくるかもしれません。長期的に取り組みたい課題です。

 

 

 

東野インストの話(自分用メモ)
リアへの荷重は後ろに座るよりも、骨盤を引いて(おへそを引っ込めるイメージで)お尻から真下に自分の体重を載せる。

RaceChronoを活用した走行分析

ラップタイマーアプリのRaceChronoはタイム計測・表示に加え、走行ログ(データ)を解析してグラフ等に可視化します。当アプリの概要は過去の記事にまとめています。

具体的には主に以下のようなことができます。

 

各ラップのセクター(区間)タイムが表示される。区間ベストを繋げた仮想ベスト(タラレバベスト)もわかる。

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コース図に走行ライン、加速・減速の状態(緑が加速、赤が減速)、セクター別の最高速と最低速度が表示される。

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速度グラフ(及び加速度やバンク角など各種グラフ)が表示される。

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コース図、グラフがGoPro等の動画再生に連動し、一つの画面で確認できる。

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これらの機能は自分の走りを客観的に知る手助けになります。デイトナ675RでのHSR九州の走行を通じて、当アプリを活用した走行分析の一例を記します。

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セクター 
RaceChronoではHSR九州を下図の通り4つのセクターに分け、それぞれの区間タイムを計測します。

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課題の場所をピックアップして比較する
僕にとって今最も課題に感じているのはセクター3(第2ヘアピン~シケイン)です。ここで大きくタイムロスしている感覚があり、データ上でもラップ毎にタイムのバラつきが大きく安定していません。
サンプルとして、先日走行したデータの中から1分11秒16のラップ(A)と1分11秒10のラップ(B)の区間タイムを比較してみましょう。

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トータルではほぼ同タイムながら、区間別に見るとセクター3はBの方が約0.4秒速いタイムでした。この短い区間で0.4秒というのは結構大きな差です。何が違うのでしょうか?


 

 

最低速度と最高速を比較する
セクター3の区間別の最低速度と最高速を見てみます。

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A(15秒41)は、最低速度が52km/h(2ヘアのクリッピングポイントで記録)、シケインを抜けた後の直線区間で最高速が174km/hでした。対してB(15秒02)は2ヘアの最低速度が48km/h、シケイン後の最高速が185km/h。
Bのほうがヘアピンのボトムスピードは遅いのに、その後の最高速は10km/h以上も速くなっています。

 

 

 

アプリ上で動画を再生してラインの違いを比較する
RaceChronoアプリ上でセクター3の走行動画を再生すると、Bは2ヘアから続く右~左~右の切り返しをまずまずスムーズに抜けて加速に繋げているのに対し、Aは2ヘアの後半で向き変えが不十分なため、続く右~左~右の切り返しも後手後手に回り、次の直線に向けてアクセルを開けるべきところでなかなか開けられない様子が見てとれました。
その結果AとBではシケイン後の最高速で11km/hも差が生じ、それが区間タイムにはっきりと反映されました。

 

 

 

まとめ
この比較で分かったことは以下の通りです。

  • セクター3はいかにシケインをスムーズに抜けて、次の直線に向けて早くアクセルを開けていけるか、つまり立ち上がり重視の走りができるか否かでタイム差が大きく開く。
  • 立ち上がり重視の走りをするためには、シケイン手前の2ヘアがポイントで、ここで早めに向き変えを済ませて出口でアウトにはらまず、ミドルからシケインに進入して先手先手で切り返していく。
  • そのためには2ヘアのボトムスピードをあえて落として(我慢して)しっかり向きを変えなくてはならない。
  • 2ヘアで我慢しきれず中途半端にコーナーリングスピードが高いと出口でアウトにはらみ、続くシケインが苦しくなってタイムが落ちる。

 

このようにRaceChronoを活用して自分の走りを分析していくと、何が良くて何が悪いのか、そして次回にどのように走ればよいかが客観的に見えてきます。
データロガーの解析って取っつきにくい印象がありますが、当アプリの秀逸な点は走行動画を再生しながら各種データが連動して一つの画面に表示されるため、どこに問題があるか直感的に見つけやすいことです。 

Daytona765

ショップにデイトナ765が入荷したと聞いて見学してきました。

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まあアレですね、旧675オーナーのワタクシからすると非常に見覚えのあるシルエットです。しかしディテールがブラッシュアップされて、より洗練された印象。見慣れているけど新鮮という不思議な感覚です。

 

 

 

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マフラーは細身で凄くカッコいいです。どんな音を奏でるのでしょう。
排気デバイスは付いていないとのことで、排気量アップにより低速のトルクを確保できているのかもしれません。

 

 

 

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電子スロットル化されてハンドル周りはスッキリ。全身カーボンの外装は近くで見るとヤバい雰囲気です(語彙力)。この車両でサーキットを走るなら、コケて傷物にする前にFRP製の社外品カウルに換装しておいた方が無難です。

 

 

 

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高級感のあるトップブリッジ。

 

 

 

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個人的には、せめてフロントマスクのデザインだけでも新しくすればガラッと印象が変わったのに、と思わないでもありません。なにせ7年前のデイトナ675と基本的なデザインは全く同じで、ヘッドライトにしても旧態依然としたハロゲンですから。
少量生産の車両なだけに、限られたリソースで最大限の付加価値を与えることを考えると、こういう形を取らざるを得ないのかも知れませんね。

 

ほかには、シルバーに塗装されたフレームやスイングアームとカーボンカウルのマッチングが素敵で、上品ながら高級感のある色使い。細身のサイレンサーも相まって車体全体のデザインはとてもバランスよくまとまっています。
走りの中身を窺い知ることはできませんが、675から続くこれまでの長い歴史を経てエンジンや足回りの設定は高い完成度を誇るに違いありません。僕のように(極めて少数の)最終型675オーナーでない限りデザインに既視感を覚えることもありませんから、きっと購入する人の期待を裏切らないマシンに仕上がっていることでしょう。