オートポリス スポーツ走行 2019.10.20

昨日はオートポリスでスポーツ走行を行いましたが、走行中にマシンからクーラントが漏れ出して、赤旗が振られる原因を作ってしまいました。
以下、事の経緯です。

 

朝、オートポリスに到着した時は霧が立ち込めていました。

f:id:sundayrider:20191021090314j:plain

 

気温は15℃。風が冷たく冬のような体感温度でした。

f:id:sundayrider:20191021090323j:plain

パドックにトランポを停めていつも通り走行準備を進め、この時点ではいつもと変わった事もなく、暖機でエンジンを掛けた際も異常はありませんでした。

 

9:30の2R枠にて走行開始。アウトラップを終え、計測1周目の3コーナーから1ヘアの区間でリアが大きくスライドしました。通常とは明らかに異なる挙動であったため、マシンに異常があると判断しペースダウン。この時点ではクーラントが漏れていることに気づかず、リアタイヤの異常ではないか(空気が抜けた?)と思い、そのままコースの左側を走ってピットまで戻りました。ピットにて車両を確認すると、クーラントと思われる液体が噴き出すように漏れており、アンダーカウル及びリア周りに飛散していました。

f:id:sundayrider:20191021090345j:plain

f:id:sundayrider:20191021090354j:plain

コースでは僕がピットインしている時に赤旗が提示されたようです。車両を自分の持ち場(パドック)に戻してから、コース事務所に状況を申告しオフィシャルさんとともに車両をチェック、漏れた液体が冷却水であることを確認しました(コース側は当初オイル漏れと認識していた模様です)。また真水ではなくクーラントを入れていたことと、異変を感じた後は左側のラインを走行したことを伝えました。
この枠は結局走行が再開されることなく終了。次の10:00からの2P枠は通常通りコースオープンし、その後も通常通りの進行となったようです。

 

以上です。マシンに異変を感じた時点ですぐにコースアウトし停めるべきでしたが、クーラントが漏れているとは思わず走り続けてしまった結果、赤旗を出すこととなりました。また、このような事態を想定してラジエターには真水を入れておくべきでした。
675Rはショップに預けてマシントラブルの原因を調べてもらっています。現時点ではまだ特定できていません。

 

オフィシャルさんとのやり取りを終えた後に二輪のピットを一つずつ回ってお詫びを伝えましたが、タイミングが合わずお話出来なかった方もいたかもしれません。この場を借りて改めてお詫びします。同じ枠で走行していた方、及びオフィシャルの皆さんにはご迷惑をお掛けし、申しわけありませんでした。

タイムは今の自分の映し鏡

サーキットのタイムは良くも悪くも、その時点の自分の映し鏡だと思うんです。どんなタイムでもその数字には理由が存在していて、たまたま速く走れた、たまたま遅かったということはありえません。しかしその理由を正確に把握することが簡単ではないために毎回のタイムで一喜一憂しがちです。

 

f:id:sundayrider:20191003191842j:plain

 

こんなに一生懸命走っているのに、なんでこんな酷いタイムしか出ないんだろうって落胆する時もありますよね。その時は本当にわけがわからなくても半年後、1年後、2年後に振り返ると「あぁ、あの時はコレが駄目だったんだ」と気づくことがあります。長い目で考えなければいけません。
大切なのは継続性・連続性です。一回の走行で感じたこと・心掛けたことと、その時のタイム。それを踏まえて次回の走行は違うことを試す、あるいは同じことを繰り返してみる。すると新たな気づきが生まれて、その内容をまた次の走行に生かす。この積み重ねのほかにライディングを上達させる方法はありません。

 

困るのは、そんな試行錯誤を繰り返したからといって必ずしも良い方向に進むとは限らず、ドツボにはまって走るほどにタイムを落とす時もあるということです。とりわけ足回りのセッティングでは同じところをグルグル回り続けた挙句、わけが分からなくなることも(わりとよく)あります。
それでも諦めずに走り続けていればいつかは前に進みだす瞬間が訪れるのですが、僕のように酷く遠回りをして長い年月を要するかもしれません。

 

レースで上を目指すという人はできるだけ早く結果を出す必要がありますから、1年・2年スパンで考えるなんて悠長なことは言っていられません。経験豊かな先達が身近にいる環境に身を置くことがやはり近道でしょう。
でも趣味の範囲で、結果もさることながらセッティングやライディングの試行錯誤を含めた過程を楽しむことが主眼であるなら、どんな環境でも問題ありません。どれだけ遠回りしようと、自分のペースで成長できれば良いのです。

 

f:id:sundayrider:20191004141240j:plain

 

サーキットを走れば他人のタイムが気になるものです。しかし他人との比較にこだわり過ぎると、結果を出すことに焦って過程を楽しむ余裕が失われます。そうなると趣味のレベルでは結局長続きしません。
他人との比較ではなく、自分自身の基準を設けるべきです。自分のレベルに照らして目標とするタイムを設定し、そこに向けて取り組んでいくのです。

 

僕の場合、675Rの目標タイムはHSR九州で1分10秒を切ることとオートポリスで2分5秒を切ることです。これらは周り(サンデーレースや九州選手権)との比較で言えば平凡なタイム、遅いタイムです。しかし僕にとっては憧れのタイムであり、且つ頑張ればなんとか達成できるかもと思わせるラインです。
自分なりの基準を決めて、自己ベスト更新をターゲットにする。ライバルは自分自身、過去の自分を超えていくことが目的であれば、マイペースでサーキットを楽しむことができます。

 

f:id:sundayrider:20191004142309j:plain

 

サーキットを走るようになっていつの間にか10年が経ち、その間に仕事、家庭、生活、全ての環境が大きく変わりました。10年前は独身生活を謳歌して毎週サーキットに通い詰めるくらいの勢いでしたが、今は月に一度の“サンデーライダー”。40半ばを迎え体力の低下は著しいし、バイクと接する時間もわずか。
限られた条件の下でいかに楽しむか、走り続けるかを自分なりに工夫してきたつもりだし、ジム通いとランニングを欠かさず、年齢を重ねてもスポーツ走行に耐え得る最低限の身体作りを続けてきました。
ここ2年間はスランプに陥って、もう以前のようなタイムでは走れないかも…と半ば諦めていましたが、それでも走り続けた結果ついに不調を脱し、先月の走行で自己ベストを更新できました。ベスト更新とは言い換えれば自分史上最も速く走ることができたということです。これを人生の喜びと言わずして何と表現するのでしょう。それくらい特別な出来事なのです。

 

バイクとの付き合いは山あり谷あり。酸いも甘いも噛み分けて、マシンと向き合い、自分と向き合ってライディングを楽しむのが「いい年した大人の嗜み」というものではないでしょうか。

HSR九州 自己ベスト更新

9月2度目の連休は台風17号の接近により微妙な天気でしたが、この日を逃すとHSR、オートポリスともに当分走行枠がないためドライに賭けてHSR九州へと向かいました。 

f:id:sundayrider:20191002164737j:plain

 

 

今回は新品タイヤ。ピレリ・ディアブロスーパーコルサV3です。
フロントSC1

f:id:sundayrider:20191002164836j:plain

 

 

リアSC2(180/55)

f:id:sundayrider:20191002164855j:plain

先代とパターンは一緒かと思っていたけれど微妙に違いますね。V3は溝が縦長になっているみたい。このような高級タイヤは僕みたいなしょっぱいライダーには猫に小判、もしくは豚に真珠というものです。しかし豚にも真珠を持たせたら、おだて上がって速く走れるかもしれませんから…。

 

 

到着すると雨は上がっているものの路面はウエット。

f:id:sundayrider:20191002164943j:plain

このあと走行直前になって急速に乾き出したので、とりあえず様子見でコースインします。
 

 

 


サーキットでは皮むき不要
たまにサーキットで新品タイヤの皮むきをする人を見かけますが、もったいないからやめたほうがいいです。ウォーマーを巻いているなら最初の1周(アウトラップ)、ウォーマー無しならタイヤが温まるまで慎重に走ればそれで皮むき終了です。20分も30分も延々と皮むきしていたら、新品タイヤの一番美味しいところが終わってしまいます。

 

 

 


1本目
まだコースの所々に黒く濡れた箇所が残るため、様子を見ながら徐々にペースを上げていきます。初体験のSCV3は良くも悪くも違いが分からず、まさに豚に真珠状態。
走行が進むにつれ路面もグングンと乾き、ほぼドライに。終盤に少しチャレンジして1分10秒9。次の走行枠で自己ベスト(10秒6)更新の期待が高まります。

 

 

 


2本目
1本目を走った感触は、コーナーで自分のイメージより大回りする従来の傾向と同じだったので、リアのイニシャルを1.5mm締めて改善を試みます。もっと大幅に変更したくなるところですが、過去の失敗を踏まえ極端な後ろ上がりにならないよう気をつけます。

 

1本目よりブレーキングポイントを奥にずらし、ベスト更新に向けて「ウボヮーーーッ!」と叫びながらアタックするも11秒前半止まり。なんか気合いが空回りしているので一旦ピットインして深呼吸。肩の力を抜いて、今度はブレーキングポイントを手前に戻してリラックスした走りに徹します。すると10秒台に入り始め、10秒4が出て無事自己ベスト更新。さらに10秒2まで辿り着くことができました。

f:id:sundayrider:20191002165108j:plain

ここまできたら目標の10秒切りを達成しておこうとチャレンジを続けますが、どうしてもあと0.2秒が届かずこの日の走行は終了。

あと一歩で9秒台に届かなかった悔しさはありますが、何と言ってもHSR九州の自己ベストを更新するのは実に3年ぶりのこと。2年前に転倒してからは全く思うような走りが出来ず、昨年の今頃なんて必死に走って13秒がやっとという惨憺たる状態。これまでの2年間を思えば、やっとこの水準まで戻ってこれた、長い長いトンネルを抜け出したという思いのほうが強いです。諦めず675Rに乗り続けて本当に良かった。