CB1100RSでサーキットを走る

CB1100RSは走行距離が1,000kmを超えて慣らしも無事完了。これを機に一度だけサーキットを走らせてみることにしました。場所は毎度お馴染みのSPA直入です。行き帰りの道中もツーリングしたくて、暑い中ツナギを着て自走でやって来ました。

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梅雨が開けた途端に猛烈な暑さが続いていて、本日も朝9時の時点で30℃を大きく超える状況。やばみが深い。

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走行準備
ピットでスポーツ走行の準備を始めます。

  • ミラーを外す
  • 各種レンズ類(ヘッドライト、テールライト、ウインカー)に飛散防止のテーピングを施す

準備としてはこれだけ。SPA直入はサイドスタンドを外さなくても走行が許されるので、自走組には優しいトラックです。

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それにしてもセンスのないテーピングではあります。

 

 

 

タイヤ空気圧
我が家のCB1100RSは今のところフルノーマルでタイヤも純正装着のOEMタイヤ。サーキット走行というと通常より空気圧を下げたくなるものですが、(低圧が前提のハイグリップタイヤではなく)一般的なツーリングタイヤですから、普段より気持ち下げる程度に留めます。フロント2.4、リア2.7に設定。(メーカー指定値はフロント2.5、リア2.9)

 

 

 

サスペンションセッティング
CB1100RSのサスペンションは前後ともプリロードのみ調整可能。普段のツーリングでは以下の設定で走っています。ライダー(僕)の体重は70kgです。

  • フロント 標準より1回転緩める
  • リア 標準より1段緩める(最弱)

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1本目はこの状態のまま走ります。すると荷重の掛けやすいサーキットではサスが沈み込んで、すぐにステップが設地してしまいます。腰を目一杯ずらしムリ膝気味に足を開いてみても先にステップを擦るため、膝擦りできません。
タイムは1分ちょうどくらい。フルノーマルの125ccミニバイクと同じか少し遅いくらいのタイムです。

  

 

そこで、2本目は前後ともプリロードを最強まで締め込みます。
リアは車載工具のフックレンチでガッチャンガッチャンと回していきます。

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フロントはマイナスドライバーを当てて回します。時計回りに回すと締まります(固くなる)。写真のようにマジックペンで印を付けておくと、回しはじめの基準点がわかって便利ですね。

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この状態でシートを手で押してみると沈み込みが少なく、リアははっきりと硬くなったことを感じます。しかしフロントはハンドルを下に押してみてもあまり変化を感じません。
走り出すと1本目よりピッチングは減り、車体のボヨンボヨンとした挙動は多少抑えられています。バンク角もいくぶん確保できるようになり、普通に膝が擦れる程度には傾けられるようになりました。とはいえ675Rと同じ感覚で勢いよく寝かせると、あっという間にステップが地面に届いてガリガリ削れていくので無理はできません。

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プリロードを最大限締め込んでこれですから、バネレートが不足していることは明らかです。そもそもサーキットを走り込むようなバイクではないということです。

 

 

 

エンジン、最高速
ツーリングや街乗りではトルク溢れる頼もしいエンジンですが、サーキットではさすがに非力で回転上昇の鈍さは如何ともしがたいところです。ホームストレートにおける最高速はGPS計測で160km/h。デイトナ675Rは195km/h前後ですからその差は歴然です。

 

 

 

走行後のタイヤ
20分 × 3本走行後のタイヤの状態を見てみましょう。まずはリア。

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エッジ部分が少し使い切れていません。これ以上荷重を掛けるとステップを削り過ぎてもげそうになるので、ノーマルではこれが限度でしょう。表面の状態はさらっとして肌ツヤのいい感じ。

 

 

フロントはやや荒れが目につきます。

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OEMタイヤということでグリップに一抹の不安はあったものの、実際に走ってみると全く問題ありませんでした。今時のツーリングタイヤというものは、路面状態の良いサーキットでほどほどに膝擦りを楽しむペースなら十分なグリップを担保してくれるようです。

 

 

 

タイム
本日のベストタイムは56秒4でした。はっきり言って大変遅い。675Rとは比べるべくもありませんが、その昔バンディット1200という油冷エンジンの鉄フレームネイキッドで走った時ですら、ノーマル状態で51秒台を計測していましたから、それと比べても大きな差です。バンディットの素性が良いとも言えるものの、やはりCB1100RSは速さという点では他のネイキッドより一歩劣る印象です。

 

 

 

走行動画
twitterにアップした動画です。比較のために675Rの動画も並べておきます。上がCB1100RS、下がデイトナ675R。見比べてみるとスピード感が全然違いますね。
(音が出ます)

 

 

 

速さはないけれど
確かに速いバイクではないけれど、だからと言ってスポーツライディングが楽しめないかといえば、全くそんなことはありません。ステップのバンクセンサーが伝える浅いバンク角さえ守っていれば車体に変な挙動が出ることもなく、バランスが良くイージーで快適なライディングを楽しむことができます。余裕を持った走りの中にコーナーリングの充実感を得られることが、このバイクの最大の美点ではないかと思います。


より深いバンク角を求めてバックステップに換装すれば、今度はクランクケースやエキパイが地面と擦るようになるでしょう。レート不足のノーマルサスのネガも出てくるはずです。それに対応するためサスやタイヤを社外品に替え、車高を上げて更なるバンク角を確保すれば、フレームに問題を感じるなどマシン全体のバランスを大きく崩しかねません。こんな風に突き詰めては、CB1100RSが本来のCB1100RSでなくなってしまいます。

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ゆったりとおおらかな気持ちで走った方がこのバイクの良さを引き出せる、まさにCB1100シリーズのコンセプトである「鷹揚」を体現した一台である、というのがサーキットを走らせての個人的な所感です。