デイトナ675R サスセッティングを考える

デイトナ675Rのサスセッティングについて、ここまでの経緯をまとめます。

 

こちらの過去記事も参考までに。

  

 

ツーリング用
まず、ツーリング用の設定です。トライアンフが推奨する「コンフォート」の値としています。

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  • フロントの突き出しはケガキ線の本数。1本当たり3mm、工場出荷時は「4」本目の位置にトップブリッジ上面が合わせてあるので、12mmということになります。

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  • フロントのプリロードは最弱からの回転数。
  • リアのプリロードは実寸値で、23mmは工場出荷時の設定。

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  • 減衰は全て最強から戻したクリック数(ただし最初のクリックは「ゼロ」とカウント)。

 

ちなみに、各減衰の最弱値(最強から最弱までのクリック数)は以下の通りです。

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こうしてみると「コンフォート」では、各減衰(特にリア)が最弱寄りに設定されているとわかります。この状態でサーキットを走るとフワッフワします。

 


サーキット用(リア)
続いてサーキットでのスポーツ走行に適した設定を考えます。リアから見ていきましょう。
メーカー推奨の「サーキット」の値。

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「コンフォート」と比べ、かなりダンパーを絞っていることがわかります。しかし、これでもまだサスの動きが少し速くて、加速時に腰砕け感があります。そこで、

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伸・圧ともにもう少し強めてみると、コーナーの立ち上がりでしっかり感が出てきて、不安なくスロットルを開けられるようになりました。リアはひとまずこれでOK。

 


サーキット用(フロント)
次いでフロントです。メーカー推奨「サーキット」の値。

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ここから、試しに突き出し量を変えてみます。

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標準より3mm突き出し増。フロントをより低くする設定です。これは正直、あまり違いを感じ取れませんでした。悪くはないけれど、タイム的に良くなったわけでもなく。


続いて、

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今度は標準より6mm突き出し減。その分フロントが高くなります。これもあまり違いが分からないけれど、前のめり感がいくぶん解消されて走りやすくなったような気がします。気のせいかもしれません。とりあえず、現状はこの突き出しで固定します。

 


フロント 残ストの推移
上記セッティングで走行し、フロントフォークの残ストローク量を見てみましょう。
前回のSPA直入走行時。

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ストロークセンサーがかなり深い位置まで来ています。以前はこれほどストロークしていませんでしたが、僕自身マシンに慣れてきて、安心して体を委ねられる(=より荷重できる)ようになってきたためストローク量が増大していると考えられます。

 

そこでフロントのプリロードを0.5回転、圧側減衰を3クリック強めます。

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この時の残スト。

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やっぱり同じ位置。もしかして底付きしてる?

 

 

フロントフォーク ストロークセンサー 
インテグラル・ストロークセンサーを使用しています。これはフロントフォークを分解しなくても、そのまま後付けできます。デイトナ675RのオーリンズはΦ43です。(無印デイトナ675のKYB製はΦ41)
見た目を気にしないならタイラップを巻くだけで問題なく代用できますが…。

インテグラルストロークセンサー http://www.skill.co.jp/integral/stroke41.htm

 


向き変え
ところで、コーナー進入時において、以前はどんなにスロットルを閉じて待ち続けても、向きが変わる瞬間が訪れなかったのですが、直近の走行ではスロットルを閉じてワンテンポ待つと、車体が落ち着いて向きが変わる感覚がおぼろげながら出てきました。これは(都合の良い解釈をするなら)進入時に沈み込んだサスが車速の落ち切ったところで適正な位置に戻り、向きが変わる車体バランスになっていると見ることができます。あくまで都合良く解釈したら、の話であって全く的外れなことを書いているかもしれませんが…。

 

 

今回の結論
ここでRSG皆木校長の試乗アドバイスをもう一度振り返ります。

「マシンのバランスは問題ない」
「サスの動きが速い、特にフロントが動き過ぎる印象」
「フロントの動き過ぎが、接地感不足や積極的なライディングの妨げに繋がっている可能性がある」

先ほどの残ストの推移や向き変えの感触と合わせて考えれば、自ずと答えが出ているような気がします。現状の問題点は、フロントが柔らか過ぎる、ということです。イニシャルプリロードを締めこんでベースの耐荷重を上げつつ(底付きしないよう)、減衰は沈む方も戻る方も強めてサスの動きを遅くします。これによって車体に落ち着きが出てくれば、接地感がフッと抜けるようなこともないし、コーナー進入時にジッと待たなくても姿勢を保って向きが変えられる…そんなバラ色の走りが待っているに違いありません。

 

…そうであって欲しいなぁ。