スランプ到来

転倒から復活して2度目のオートポリスです。
台風一過の晴天、気温25℃前後、タイムの出しやすい季節を迎えました。この日のために体調も万全に整えて、今までだったら自己ベスト更新に向けて鼻息を荒くしているところです。

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タイムは?
今回は13時の枠から3本しっかり走り込んで、ベストの4秒落ち(2分10秒)という結果でした。前回の6秒落ちに比べれば少しは前進したと言えますが、内心2分8秒くらいまでは戻したいと思っていたので落胆しています。

 

 

 

原因は?
やはり転倒のイメージが抜けず動作に躊躇が見られます。
特にコーナー入り口で、

  • マシンの寝かし込みに躊躇があり、バンク角が浅い
  • ブレーキを残しながらの進入でフロントへの荷重をためらってしまい、強い動作ができない

結果として一次旋回で全然向きが変わりません。自分の意志で積極的に曲げるのではなく、バイクが勝手にダラダラ曲がっている感覚です。コーナーはただやり過ごすだけ、しかもその時間がやたらと長く、いつまでたってもアクセルを開けていけません。遅いうえにコーナーリングの充実感がなく、走っていて楽しくありません。
左コーナーはまだマシですが、転倒した右コーナーはとてもぎこちない乗り方になっていると感じます。もともと僕は(多くのツーリングライダー同様に)右コーナーが苦手で、サーキットを走り込むうちに苦手意識が薄れていったのですが、また以前の状態に戻ってしまったみたいです。

 

 


なぜ躊躇するのか?
なぜ躊躇するのか、それが最大の問題です。
転倒して怖いからだ、と言えばその通りです。でも前回の転倒では肉体的な痛みがほとんどなく、反射的な恐怖を身体に刷り込まれたという感覚はありません。あのようなフロントからのスリップダウンは、サーキットにおいて現代の装具であれば大きな怪我はしない、という理解もあります。
それよりも転倒によってまた多額の修理代が発生することや、短期間で再び転ぶとバイクそのものに対して嫌気がさすのではないか、という間接的な理由が体の動きを制限しているように思えてなりません。
つまり怖いといっても反射的な反応というより理性的な抑制に近い、あるいはその半々だと感じています。だったらその抑制を解いてしまえばいいんじゃないか、転んでも大怪我しないんだしその後のことは起きてから考えればいいと割り切ればいいじゃないかとも思うのですが、これが選手権を戦う若者ならいざ知らず、いい年して家族もあって社会的な役割もそれなりに求められるという、典型的な中年ライダーにとっては簡単なことではありません。

 

 

 

ライディングの問題点は?
技術的な面を考えると、転倒の原因が明確でないことがこのような躊躇を生んでいます。自分の操作としては何ら無理をしていない、普段通りだったのに気づいたら地面を滑っていたという事実。唯一考えられるのはフロントタイヤのアブレーションが酷く、それに起因しているだろうという推測。
ライディングの瑕疵がはっきりしていればその点だけを直せば良いけれど、それが明確でない場合は、本来正しいはずの部分も含め全ての動作に疑念を抱きながら走らざるを得ません。

 

 

 

対策は?
これといった特効薬はなさそうなので、地道に走り続けて以前の状態に戻るのを待つしかありません。思えば675Rに乗り換えた時もタイムが大幅に落ちて、乗り換える前のベストを更新するのに2年の歳月を要しました。何度サーキットに通っても思うような走りができず、もうバイクを降りようかと悩んだこともありました。今回もそれに匹敵するスランプかもしれません。しかしスランプの時は、好調の時に行わない試行錯誤を繰り返すことになって、自分のライディングを見つめなおす良いきっかけになることも確かです。目先のタイムに囚われず課題を持って考えながら乗り続けていれば、時間は掛かっても必ず以前と同じ状態に戻れる、そしてその先のレベルに向かっていける。そう信じる以外に解決の道はないというのが、現状の結論です。

HSR九州 スポーツ走行と九州選手権見学

復活後2回目の走行はHSR九州です。

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暑すぎる
お盆を迎えて幾分涼しさを感じられるようになったと思っていたのですが、ここへきて猛烈な暑さがぶり返してきました。

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炎天下でぴっちぴちタイトフィットの革ツナギを着るだけで疲労困憊、さらに汗だくの手にグローブを装着するのに腕力と握力を消耗してバイクに乗り込む時点で既に息が切れる始末…。

 

走行1本目、暑さでぼーっとしてバックストレートでブレーキを握るのを忘れそうになり、非常に焦りました。休み休み30分走ってピットに戻ると若干気分が悪く、このまま帰るべきか悩みました。
休憩を挟んで2本目、まだクラクラしますが歯を食いしばって走ってみると、なんとかベストの1秒落ちまではたどり着くことができました。
3本目、走ることが一番のトレーニングだと思いコースに出たものの数周で足がつって、あえなく終了。限界です。

 

 

 

走行後の所感 
暑さでバテてしまったとはいえ、前回のオートポリスと比べたら少しは体が動くようになってきました。久しぶりのHSR、スプロケットのセッティングも合っていないことを考慮するとベストの1秒落ちはまずまずという感じです。ただ(転倒した側の)右コーナーはまだ躊躇があってバンク角も浅いです。左回りのHSRではさほど気になりませんが、右回りのオートポリスではタイムに影響が残りそうです。
ライディングの感覚としては、腹筋を使った操作ができていません。腹筋(と背筋)は上半身と下半身を繋ぐ、文字通り体幹の部分です。僕が意識しているのは下半身で体をホールドすることと、上半身の力を抜いて荷重するイメージですが、これらを繋ぐ腹筋に力が入っていないと上半身と下半身の動きが連動しないため荷重の感覚も曖昧だしマシンとの一体感が得られません。

 

 

 

タイヤの状態
走行後の前後タイヤ。

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フロントにややザラつきが見られますが、K1の時のような酷いアブれではなく許容範囲と見ています。

 

 

 

九州選手権を見学
さて、この日の HSR九州は午前中に一般のスポーツ走行で午後から九州選手権という謎のスケジュール。選手権は250とST600が開催されていました。

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せっかくの機会ですからST600の予選だけでも見学して帰ることにしました。

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予選開始直後の一枚。ピットレーンからコースインする瞬間ですが、もうこの時点で我々一般ライダーのコーナリングスピードを超えているんじゃないかと思わせる勢いです。

 

以下、撮った写真を適当に並べておきます。

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全日本レギュラーの清末選手が1分4秒でポールポジション。
国内ライダーの平均が1分7秒~8秒というところですので、僕のような一般ライダーが目指すは1分10秒切り、というのが現実的なラインでしょうか。

オートポリス スポーツ走行 2017.8.13

修理を終えた675Rでオートポリスを走ります。 

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 ショップのTメカニックも心配して駆けつけてくれました。

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とりあえず2本走ってみたところエンジンはしっかり回るし、足回りも特に違和感はなく車体のほうは問題なさそうです。問題があったのは僕自身で、タイムはベストの6秒落ちがやっとという結果でした。

 

 

 

地面が遠い
転倒後初めての走行なので、前回みたく普段通り走っているつもりでもまた突然コケるんじゃないか、という思いを拭い去ることはできず、バイクを寝かせることができません。
もっと寝かせられる、寝かしたいという思いと、これ以上寝かせたら転ぶかもという不安がせめぎあって、今まで何も意識することなく擦っていた膝が地面に届かない…地面が遠いなぁと感じていました。
転倒が怖いというよりも、転ぶとまたバイクの修理に時間もお金もかかるし面倒なことになるよなぁ…という思いが体の動きに制限を掛けているような感覚です。

 

 

 

体力がない
675Rを修理に出している間、やることがないので残されたセローでウィリーの練習に励んでいました。最初のうちは全くうまくいかなかったけれど、少しずつタイミングが掴めるようになって時折フワッとフロントが浮き上がるようになりました。調子に乗ってフロントアップに勤しんでいると、勢い余ってバランスを崩し歩道に突っ込んで転倒しました。その際に左足を強打、負傷してしまいました。正直675Rで転んだ時よりもよっぽど痛いし怖かったです。
この影響でそれまで続けていたトレーニング(筋トレ)を中断せざるを得なくなり、スポーツ走行に耐えうる体力と筋力はすっかり失われてしまいました。そのうえ、まだ痛みの残る左足では体をしっかりとホールドすることができないため、右コーナーでは車体との一体感を得ることができず全くうまく乗ることができません。

 

 

 

ライディングの基本
気持ちと体力の両面で問題を抱えていることが浮き彫りになったわけですが、こうしてみるとライディングの基本について改めて気づかされたように思います。

① 足腰でバイクをしっかりとホールドすること
② 体の力を抜くこと

バイクの基本は、つまるところこの二つに集約されるのではないかと思います。

 

①はバイクをホールドするというよりむしろ自分自身の体をバイクにしっかり固定するという意味で、ブレーキ・加速・コーナーリングによる前後左右の様々なGに負けることなく常に自分自身をバイクの上で然るべき場所に位置させるということ。逆説的な表現になりますが、それはすなわちバイクの上で常に乗り手が自由に(思うがままに)動けるということにほかなりません。
これはライディングにおいて最も優先すべきことだと思うのですが、前傾姿勢の強いSSにおいては、それなりの筋力を求められます。少なくとも日常的に運動をしていないアラフォー・アラフィフがトレーニングもせずにこなせるほど甘いものではないというのが僕の認識です。

 

次いで、②体の力を抜くということ。バイクは乗り手の体重を利用し重心を移動させることで操作する乗り物です。自分の体重を荷重したい方向へいかに効率良く伝えられるかで、バイクの曲がり方は全く変わります。その最も効率の良い方法が力を抜くことだと思います。
そのためには体をしっかりホールドしてマシンとライダーが一体となっていることが前提にありますが、それ以外にも車体のセットが適切で接地感の不足を感じないとか、同じバイクに乗り続けることでマシンとの信頼関係が出来ているなど、技術的・精神的に一定の要件を満たしていないとできることではないと感じています。ライディングの基本と言ってもそのハードルは低くありません。

 

今回の走行では体力的にマシンのホールドができず、転倒のイメージを引きずって気持ち的にも体の力を抜いて走れる状態にはなかったため、うまく乗れなかったのは当然の結果と言えます。現在は左足の怪我もほぼ完治したので、今後は筋トレを再開しつつ、少なくとも以前のペースで走れるくらいの状態に戻したいものです。